サイズ排除クロマトグラフィー

1.サイズ排除クロマトグラフィー

細孔の開いている担体(ゲル)を充てんしたカラムに、大きさの異なる成分を含む試料を流した場合、図(1)に示すように、試料中の各成分の中で分子量の小さい成分①は孔の奥深くまで入ることができます。
一方、分子量の大きい成分③は孔の中に入ることができません。中間の大きさの成分②は孔の途中まで入ることができます。孔の奥に入ることができる成分①はそれだけカラムの中に留まる時間が長くなるため、カラムから出てくる順序は、③、②、①の順となります。分析種を分析種の大きさによって分離するクロマトグラフィーをサイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography;SEC)といいます。

2.排除限界分子量

図(2)に示すように、③の外径が孔の口径と同じで孔に入れないとした場合、③より大きい④は、孔の中に入ることのできない点では③と同じで、③、④は分子量に差があるにもかかわらず同時にカラムから出てくるため分離できません。孔の中に入ることのできない最も小さいものの分子量(この場合では③をさします)を「排除限界分子量」といい、カラムの排除限界分子量を越えた分子量の成分同士は分離できません。

3.サイズ排除クロマトグラフィーの分類

サイズ排除クロマトグラフィーは、溶離液として有機溶媒を用いる場合と水溶液を用いる場合とに大きく分類されます。
有機溶媒を用いる場合をゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)、水溶液を用いる場合はゲルろ過クロマトグラフィー(Gel Filtration Chromatography;GFC)といい、分析試料によって使い分けます。

図 サイズ排除クロマトグラフィーの原理