iCell® Sensory Neurons

iCell® Sensory Neurons は FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc. 独自の分化・純化プロトコルに従ってヒト iPS 細胞から作製した、高純度な知覚神経細胞集団です。本細胞は分化した神経細胞であり、知覚神経細胞としての生理学的な特徴と機能的な神経ネットワークを示すため、実験動物を使用しない、 In Vitro における細胞毒性試験や痛覚研究のハイスループットドラッグスクリーニングなどに有用です。

特長

iCell® Sensory Neurons の形態

iCell® Sensory Neurons は pseudo-unipolar (偽単極性) の形態を示します。

(A) 1日目

iCell® SensoryNeuronsの形態 (Day1)

(B) 7日目

iCell® SensoryNeuronsの形態 (Day7)

(C) 14日目

iCell® SensoryNeuronsの形態 (Day14)

iCell® Sensory Neurons の形態・分子マーカー・機能的特長

Key iCell Sensory Neurons Characteristics

Donors 01279 (male)、21527 (female)
Morphology Semi-adherent translucent cells with processes upon post thaw
Purity ≥ 90% of iCell Sensory Neurons are positive for BRN3A and UCHL1
Markers BRN3A, PRPH, TRPV1, TRPM8, P2RX3, Nav1.7, Nav1.8
Sensory Function Respond to capsaicin, menthol, ATP
Electrophysiology Low spontaneous activity, TTX-sensitive and TTX-resistant currents

アプリケーション

知覚神経細胞マーカーの発現

(A) iCell® Sensory Neurons において知覚神経細胞マーカー (BRN3A) および末梢神経マーカー (Peripherin) の発現と汎神経細胞マーカー (UCHL1、β-III Tubulin) の発現が認められました。

(B) BRN3A および UCHL1 発現細胞の割合の平均 (5 ロット分) は、男性由来01279 細胞では 90% 以上、女性由来 21527 細胞では 80% 以上であり、安定して高い分化率を示します。

A

BRN3AとPeripherinの共発現

(BRN3A Peripherin)

UCHL1とβ-III Tubulinの共発現

(UCHL1 β-III Tubulin)

B

5ロット分のBRN3AとUCHL1発現細胞の割合

テトロドトキシン (TTX) 耐性Na+チャネルの寄与

(A) 手動パッチクランプ法によるナトリウム I-V プロットにより、iCell Sensory Neurons の TTX 処置時の Na+ 電流に、テトロドトキシン耐性 (TTX-R) チャネルおよびテトロドトキシン感受性 (TTX-S) チャネルの寄与が確認されました。

(B) iCell Sensory Neurons 01279 細胞および、21527 細胞の Na+ 電流における TTX-R チャネルの寄与は両細胞ともに 20% 程度であることが示されました。

A

TTX 処置によるNa+性電流の低下

TTX = 500nm

B

全ナトリウムイオン電流におけるTTX-Rチャネルの寄与

各種化学物質処置による細胞内カルシウム濃度変化

(A) iCell® Sensory Neurons は各種化学物質の刺激に反応を示します。TRPV1 アゴニストであるカプサイシン、TRPM8 アゴニストであるメントール、P2RX3 アゴニストである ATP は細胞内のカルシウム濃度上昇を誘発しました。

(B) TRPV1 阻害剤である JNJ1720321 の前処置によりカプサイシン誘発性のカルシウム濃度上昇が抑制されることから TRPV1 阻害剤の研究にも適しています。

A

各種化学物質投与時の細胞内カルシウムイオン濃度動態

B

TRPV1阻害剤の効果

iCell® Sensory Neurons を用いた細胞毒性評価

iCell® Sensory Neurons はパクリタキセル感受性細胞毒性を示します。

(A) 培養 4 日目のパクリタキセル処置により、用量依存的な神経突起の退縮が認められました。

(B) パクリタキセル処置により用量依存的な細胞死が認められました。

A

パクリタキセル処理後の神経突起長測定

B

パクリタキセル処理後の生存細胞数(CellTiter-Glo)

ドキュメント

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