JNC セルファイン® フォスフェイト/ セルファイン® フォスフェイト HC

セルファイン® フォスフェイトは、リン酸エステル基をリガンドとするアフィニティークロマトグラフィー担体です。DNA結合タンパク質やRNA結合タンパク質などの核酸結合タンパク質に対して高い親和性を示し、高選択的な精製が可能です。球状セルロース基材により優れた流速特性と化学的安定性を実現し、研究用途から製造用途まで幅広く使用できます。
セルファイン® フォスフェイト HCは、JNC独自の細孔径制御技術を活用して開発された高分子量タンパク質の高吸着容量タイプです。リン酸エステル基による核酸結合タンパク質への高い選択性を維持しながら、細孔径を最適化することで、分子量の大きなタンパク質や核酸関連タンパク質にも優れた吸着性能を発揮します。これにより、幅広い分子サイズの精製に対応し、適用範囲がさらに拡大しています。
※SDS、取扱説明書、テクニカルデータシート、パンフレット、技術コラムはメーカーHPをご参照ください。

セルファイン® フォスフェイトおよび
セルファイン® フォスフェイト HCの化学構造
セルファイン® フォスフェイトとセルファイン® フォスフェイト HCの比較
| 製品 | セルファイン® フォスフェイト | セルファイン® フォスフェイト HC |
|---|---|---|
| リガンド | リン酸エステル基 | |
| ベース担体 | セルロース粒子 | |
| 粒径 (μm) | 40 - 130 | |
| 排除限界分子量 (kDa) | 30 - 40 | 150 |
| イオン交換容量 (meq/mL-gel) | 0.3 - 0.8 | 0.2 - 0.8 |
| リゾチーム吸着量 (mg/mL-gel) | 140 | - |
| IgG吸着量 (mg/mL-gel) | - | 100 |
| 推奨操作圧力 (MPa) | < 0.2 | |
| pH安定性 | 5 - 12 | |
| 保存方法 | 2~8 ℃ in 20% ethanol | |
| 吸着容量の多いターゲット | 分子量が小さいタンパク質 (45 kDa以下、リゾチームなど) |
分子量が大きいタンパク質 (45 kDa以上、T7RNAPなど) |
吸着性能の比較
モデルタンパク質を用いて、セルファイン® フォスフェイトおよびセルファイン® フォスフェイト HCのタンパク質吸着量を比較しました。

セルファイン® フォスフェイト
リゾチームなど分子量の小さいタンパク質の吸着容量が高い特徴をもちます。細孔サイズが低分子量のタンパク質に最適化されているためです。
セルファイン® フォスフェイト HC
45 kDa以上のタンパク質の吸着容量が極めて高い特徴があります。 特にmRNA医薬品の合成で注目されているT7RNAPの吸着容量は、従来製品であるセルファイン® フォスフェイトの9倍です。
2つの充填剤は、タンパク質の分子量によって使い分けることができます。
アプリケーションデータ (セルファイン® フォスフェイト)
T7 RNAポリメラーゼ精製例
T7 RNAポリメラーゼを発現した大腸菌 (pAR1219) の培養液を硫安沈殿後、セルファイン® MAX DEAE (弱アニオン)、セルファイン® フォスフェイトおよびセルファイン® ETクリーンLで高純度に精製した事例を紹介します。

1: 大腸菌ライセート
2: 硫安沈殿後
3: セルファイン® MAX DEAE 精製後
4: セルファイン® フォスフェイト 精製後
5: 市販T7 RNAポリメラーゼ
セルファイン® MAX DEAE による粗精製
セルファイン® フォスフェイトによる精製
セルファイン® ETクリーンL による
エンドトキシンの除去検討
| フラクション | 酵素活性 (Unit/protein) | 酵素活性回収率 (%) |
タンパク質回収率 (%) |
|---|---|---|---|
| サンプル | 94043 | 100 | 100 |
| フロースルー | 2763 | 1.8 | 59.8 |
| 溶出画分 | 267034 | 70.2 | 24.7 |
セルファイン® フォスフェイト工程 各分画における T7 RNAポリメラーゼ の回収率
溶出画分中のT7 RNAポリメラーゼ活性回収率は70.2%と高い値を示した。タンパク質量は24.7%に減少しており、フロースルーで夾雑タンパク質が効率よく除去されていることがわかる。
セルファイン® フォスフェイトの細孔特性

定置洗浄 (CIP) 安定性
セルファイン® フォスフェイトは0.2M NaOH水溶液に安定で繰り返し使用が可能です。

タンパク質の分離特性
セルファイン® フォスフェイトは塩濃度を変化させることでタンパク質の分離が可能です。陽イオン交換体のような挙動を示しますが、一般的な陽イオン交換体よりも高塩濃度で溶出する傾向があります。

| カラム | : | ID 1.1 cm – H 10 cm |
| 流速 | : | 2 mL/min (126 cm/h) |
| 平衡化バッファー | : | 0.01 M acetate buffer, pH4.8 |
| 溶出バッファー | : | 0 → 1 mol/L NaCl グラジエント |
アプリケーションデータ (セルファイン® フォスフェイト HC)
その他酵素へのアフィニティ活性
セルファイン® フォスフェイト HC は T7RNAP だけでなく例えばピロフォスファターゼやワクシニアキャッピング酵素にも強いアフィニティ活性を示します。
【実験例】
10 mM リン酸バッファー(pH 7) でカラムに ①ピロフォスファターゼ または ②ワクシニアキャッピング酵素を吸着
↓
グラジエントで塩化ナトリウム濃度を上げる
↓
カラムから溶出してくる際の電気伝導度を測定
【結果】
①ピロフォスファターゼ溶出時の電気伝導度

溶出ピーク時の電気伝導度は 74.5 mS/cm(0.9 M NaCl 相当)となり、強い吸着性が示された。
②ワクシニアキャッピング酵素

50 mS/cm で溶出ピークが極大となった。
この塩濃度では静電気的相互作用で吸着する夾雑タンパク質はカラム内に残存しないため、アフィニティ活性を持つ酵素群を効果的に精製することができることが示された。
製品一覧
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ボトル
ミニカラム
セルファイン® フォスフェイト (充填剤)
セルファイン® フォスフェイト (プレパックカラム)
セルファイン® フォスフェイト HC (充填剤)
セルファイン® フォスフェイト HC (プレパックカラム)
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