創薬研究用ヒト腎細胞
3D-RPTEC®
3D-RPTECは、ヒト初代近位尿細管上皮細胞(RPTEC; Renal Proximal Tubule Epithelial Cells)を3次元で培養することでヒト腎皮質に近い薬物トランスポーターを発現する創薬研究用ヒト腎細胞です。
従来のin vitro毒性評価や薬理評価には腎臓の株化細胞や初代細胞が使用されてきましたが、薬物に対する応答性は十分ではありませんでした。
開発品である"3D-RPTEC"は、従来の腎細胞よりも薬物の応答性が向上し、より感度の高いin vitro評価が可能です。
特長
- ヒト腎臓に近い薬物トランスポーターを発現したスフェロイド
- 96ウェルプレート入りでそのまま使用可能
(凍結せずに常温で輸送します) - 1か月間の長期培養が可能
性能
遺伝子/タンパク質発現
従来の平面培養RPTECと3D-RPTECの遺伝子発現またはタンパク質発現を、ヒト腎皮質と比較。3D-RPTECでは腎臓の主要なトランスポーターOAT1やエンドサイトーシスを担うMegalinが顕著に向上していました。
毒性試験
OAT1基質である腎毒性薬物Adefovirを3D-RPTECに3日間曝露し、CellTiter-Glo® 3D Cell Viability Assay(Promega)を用いてATPを測定。AdefovirによってOAT1介在性の腎毒性が確認され、Probenecid(OAT阻害剤)併用によってその毒性が軽減されました。
製品情報
品名 | 型番 |
---|---|
3D-RPTEC(細胞・培地セット) | NCP01SP |
3D-RPTEC(96well plate) | NCP02RP |
3D-RPTEC専用培地(100mL) | NCP03CM |
※本製品は研究用です。ヒト、動物への医療、臨床診断用には使用できません。
学会・論文発表
日付 | 学会名 | 演題番号 | タイトル |
---|---|---|---|
2021年11月14日 | 日本薬学会北陸支部第133回例会 | 一般講演 1-学-12 |
3D培養ヒト初代腎近位尿細管上皮細胞RPTECの腎薬物代謝評価系としての有⽤性 |
2022年6月30日~ 2022年7月2日 |
第49回日本毒性学会学術年会 | シンポジウム S34-4 |
ヒト近位尿細管上皮細胞を用いた三次元培養モデルの開発と創薬への応用 |
ポスター P40-S |
高い薬物トランスポーター発現を有する3次元培養ヒト近位尿細管上皮細胞を用いた薬物誘発性腎障害のin vitro評価 | ||
2022年11月7日~ 2022年11月10日 |
日本薬物動態学会第37回年会 | ポスター BP-12 |
薬物誘発性腎障害in vitroモデルとしての3次元培養ヒト腎近位尿細管上皮細胞の有用性 |
ポスター P-026 |
改良ヒト腎近位尿細管モデル3D培養RPTECのトランスポーター機能解析 | ||
ポスター P-027 |
FXRの活性化はヒト腎OAT1とOAT3の発現低下を介してテノホビル誘発性腎障害を減弱する | ||
2022年11月18日~ 2022年11月20日 |
日本動物実験代替法学会第35回大会 | ポスター P-57 |
三次元培養ヒト初代近位尿細管上皮細胞を用いた薬物腎毒性の評価手法の構築 |
ポスター P-58 |
ヒト近位尿細管上皮細胞を用いた三次元培養モデルの開発とトランスポーター機能解析 | ||
2023年3月25日~ 2023年3月28日 |
日本薬学会第143年会 | シンポジウム S40-02 |
薬物動態・毒性評価手法への応用を目指した三次元培養腎臓モデルの樹立 |
ポスター 27P2-pm1-040 |
ヒト初代近位尿細管上皮細胞を用いた新規ヒト腎細胞モデルの開発と創薬への応用 | ||
ポスター 27P1-am1-051S |
クロマチンリモデリング因子BRD9阻害剤による腎線維化保護効果 | ||
2023年6月14日 | 第446回情報計算化学生物学会講演会 | - | ヒト初代近位尿細管上皮細胞を用いた薬物の腎動態、腎毒性の評価 ~期待と課題 |
2023年6月19日~ 2023年6月21日 |
第50回日本毒性学会学術年会 | ポスター P2-174 |
ヒト近位尿細管上皮細胞三次元培養モデルを用いた薬物誘発性腎毒性評価 |
2023年9月25日~ 2023年9月29日 |
日本薬物動態学会第38回年会 | ポスター 2P-209J |
Utility of high content analysis of drug-induced kidney injury using 3D-cultured kidney epithelial cells |
2024年1月31日 | MPS実用化推進協議会第1回学術シンポジウム | - | 創薬研究用ヒト腎細胞3D-RPTEC®の紹介 |
2024年7月3日~ 2024年7月5日 |
第51回日本毒性学会学術年会 | ワークショップ W2-1 |
創薬応用を目指したヒト近位尿細管上皮細胞の3次元培養スフェロイドモデルの開発 |
ポスター P-72S |
3D-RPTECを用いたMegalin介在性腎障害の評価 | ||
ポスター P-346 |
3次元培養ヒト近位尿細管上皮細胞を用いた核酸医薬品による腎毒性評価系の構築 |
関連論文一覧
- Naoki Ishiguro, Etsushi Takahashi, Hiroshi Arakawa et al.,Drug Metabolism and Disposition,51(9), 1177-1187(2023)
Improvement of Protein Expression Profile in Three-Dimensional Renal Proximal Tubular Epithelial Cell Spheroids Selected Based on OAT1 Gene Expression: A Potential In Vitro Tool for Evaluating Human Renal Proximal Tubular Toxicity and Drug Disposition - Shiori Hashiba, Masataka Nakano, Itsuki Yokoseki, Etsushi Takahashi, Masayuki Kondo, Yoichi Jimbo, Naoki Ishiguro, Hiroshi Arakawa, Tatsuki Fukami and Miki Nakajima
Drug Metabolism and Disposition, June 12, 2024 [Epub ahead of print]
Cytochrome P450 and UDP-glucuronosyltransferase expressions, activities, and induction abilities in 3D-cultured human renal proximal tubule epithelial cells - Hiroshi Arakawa, Daichi Higuchi, Etsushi Takahashi et al., Journal of Pharmaceutical Sciences, August 15, 2024
Three-dimensional culture of human proximal tubular epithelial cells for an in vitro evaluation of drug-induced kidney injury
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