Phos-tag™ 磁気ビーズ
Phos-tag™ 磁気ビーズ(Phos-tag™ MG-Bead)はPhos-tag™と磁気ビーズをアガロースで架橋しており、Phos-tag™に結合したりん酸化タンパク質をマグネットスタンドを使うことで抽出を可能にします。また、タンパク質の他にりん酸基を有する物質の抽出も可能です。
使用論文
りん酸化されたSARS-CoV-2 Nucleocapsidタンパク質の単離に使用されています。
使用方法
- Phos-tag™ 磁気ビーズ 5 ~ 50 µLを1.5 mLチューブに移します。
- チューブ内の磁気ビーズをマグネットスタンドによって集め、保存溶液を除きます。
- ビーズを0.1 M Bis-tris-AcOHバッファーで再溶解させ、振盪させます。この操作を2回繰り返します。
- 0.1 M Bis-tris-AcOHに溶解させたサンプル 50 ~ 200 µLを1.5 mLチューブに加えます。室温で3分間、振盪インキュベートします。
- マグネットスタンドで磁気ビーズを集め、溶液を除きます。
- ビーズを0.1 M Bis-tris-AcOHバッファーで再溶解させ、30秒間振盪させます。マグネットスタンドで磁気ビーズを集め、溶液を除きます。この操作を3回繰り返します。
- ビーズを蒸留水 200 µLで再溶解させ、30秒間振盪させます。振盪後、溶液を除きます。
- Phos-tag™ 磁気ビーズに結合したりん酸化化合物を溶出するために、pyrophosphateを加え30秒間振盪させます。この操作を5回繰り返します。
- 溶出したりん酸化化合物を解析します。
*操作に必要な溶液の組成は本製品ページ上部の『プロトコール』をご覧ください。
アプリケーションデータ
りん酸化タンパク質の抽出
磁気ビーズ量:50 µL
サンプル:トリプシン消化β-casein溶液 (1ヶ所のりん酸化と4ヶ所のりん酸化部位のペプチドを含む)
ウォッシュバッファー:0.1 M Bis-tris-AcOH containing 0.1 M NaCl pH6.8
溶出バッファー:0.1 M Na4P2O7 – 0.1M AcOH pH7.0
サンプル溶液、除去溶液、溶出溶液をそれぞれHPLCで解析した結果。サンプル内(Sample)で検出された2種類のりん酸化ペプチドを溶出バッファー(El)で抽出できていた。
FT:上記操作方法5.後の除去液。
EI:上記操作方法8. 後の溶出液。
NADとNADPの分離抽出
磁気ビーズ量:50 µL
サンプル:NAD(100 nmol) と NADP(100 nmol) を含む溶液
ウォッシュバッファー:0.1 M Bis-tris-AcOH pH6.8
溶出バッファー:0.1 M Na4P2O7 – 0.1 M AcOH pH7.0
各セクションの溶液をそれぞれHPLCで解析した結果。NADは除去溶液内で確認され、洗浄を繰り返すことで高い純度で抽出できた。NADPは溶出溶液内で確認され、溶出操作を繰り返すことで99 %以上の純度で単離できた。
FT:上記操作方法5.後の除去液。
W1~W3:操作方法6. 後の除去液。数字は洗浄の回数。
W4:操作方法7. 後の除去液。
E1 ~ E5:操作方法8. 後の溶出液。数字は溶出の回数。
製品一覧
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Phos-tag™ MG-Bead
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