急速充放電特性と高容量を両立

信州ボルタ リチウムイオン二次電池材料

信州ボルタ株式会社は、急速充放電特性と高容量を両立するリチウムイオン二次電池材料として、①単結晶LiCoO2 (LCO)正極、②二峰性分散型LiNi0.9Co0.05Mn0.05O2 (NCM91)正極、③カーボンナノチューブ(CNT)バインダーの3種類を発売致しました。

【信州ボルタ(株)とは?】
信州ボルタ(株)(代表:橋本 剛氏 株主:(株)名城ナノカーボン100%)は、是津 信行教授(信州大学工学部/先鋭領域融合研究群次代クラスター研究センター ELab2 センター長)が中心研究者として推進するリチウムイオン電池材料開発で創出された研究成果の一部を(株)名城ナノカーボンにライセンシングし、2021年5月に設立された信州大学発ベンチャーです。

単結晶LiCoO2(LCO)

「フラックス法」で育成した電池材料を世界で初めて製品化しました。
小型民生用電子機器やドローンに搭載するリチウムイオン電池の正極に広く用いられるLCO単結晶粒子をフラックス法により育成することで、既存品よりも小さな平均サイズ(<1mm、従来品>5mm)、高い10Cレート特性(6分間でフル放電)、および10C充放電サイクル時の容量低下を従来品よりも大幅に改善することができました。信州大学の強みであるフラックス法により、従来品のLCO粒子が不定形かつ多結晶であったのに対して、単結晶化するとともに、リチウムイオン拡散に優位な{104}面で広く覆われた結晶外形が得られます。

【フラックス法】
信州大学が世界を先導する無機単結晶の育成法。 溶質(原料粉末)をフラックス原料に加熱溶解させ、冷却やフラックスの蒸発による過飽和度の増加を利用し、結晶を育成する。

二峰性分散型LiNi0.9Co0.05Mn0.05O2 (NCM91)

電気自動車に搭載する高容量型リチウムイオン電池の次世代正極として、LiNixCoyMn1-x-yO2を基本組成とするハイニッケル系層状三元系正極材料が注目されています。ニッケル成分を増やすことにより正極材料の比容量が増加する一方で、その製造方法は格段に難しくなります。月島機械(株)の前駆体製造技術と信州大学の合成技術を融合することにより、平均粒子径が二峰性分散したNCM91正極を開発しました。これにより、電極内のNCM91粒子充填密度を高める効果や形成される電位分布を均一化する効果がもたらされ、電池の長寿命化につながります。従来の電気自動車に搭載されている正極材料よりも高い、200mAh/g以上の比容量が得られます。

カーボンナノチューブ(CNT)分散液 【高出力型】

単層カーボンナノチューブと多層カーボンナノチューブのハイブリッド化による世界初の導電性バインダーを開発しました。これにより、電池容量に寄与しない導電助剤やバインダーの使用量を大幅に削減することに成功し、活物質濃度を高めた高エネルギー密度型電極を実現することができます。カーボンナノチューブが電極内で三次元的に均一に広がった電子伝導網を形成することにより、従来の電極抵抗を圧倒的に下げることができます。さらに、網目状に広がった電子伝導網は電極内部に存在する隣接活物質粒子間を繋ぎとめるバインダー機能をもたらすことを明らかにしています。

製品一覧

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    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
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