Ullmann Coupling

ウルマンカップリング

金属銅を用いるアリールハライド類の還元的カップリングで、ビアリール化合物を得るための手法の一つです。特別な基質コンビネーションを除き、ホモカップリング目的で用いられます。
ハライドはI > Br > Clの順、かつ電子求引性置換基を持つ基質ほど反応が効率よく進行します。 ニッケル(0)を使ったカップリング反応も知られています。

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基本文献

<Review>

  • Fanta, P. E.: Chem. Rev. 1946, 38, 139. DOI: 10.1021/cr60119a004
  • Fanta, P. E.: Synthesis, 9 (1974). DOI:10.1055/s-1974-23219
  • Hassan, J., Sevignon, M., Gozzi,C., Schulz, E., Lemaire, M.:Chem. Rev., 102, 1359 (2002). DOI: 10.1021/cr000664r
  • Nelson, T. D., Crouch, R. D.: Org. React., 63, 265 (2004).
  • Sambiagio, C., Marsden, S. P., Blacker, A. J., McGowan, P. C.: Chem. Soc. Rev., 43, 3525 (2014). DOI: 10.1039/C3CS60289C

反応機構

Ullmann反応の機構の詳細は明らかではないですが、一電子移動を経由する機構、もしくはCu(III)を経由する機構が想定されています。以下にCu(III)機構を示します。

想定されるウルマン反応の反応機構

反応例

2-チオフェンカルボン酸銅を用いるとUllmannカップリングが室温で効率よく進行します。官能基受容性の高さも特筆すべき点です1)

温和な条件で進行するウルマン反応の例

ジアステレオ選択的Ullmannカップリングの例2)

立体的に込み合った位置のウルマンカップリング反応の例

ニッケル(0)によるUllmannカップリングは、より穏和な条件で進行します3)

CODを配位子として持つニッケルを用いたウルマンカップリングの例

通常Ni(0)は酸素に極めて不安定であり、厳密な脱気条件が要求されます。亜鉛をニッケルの共還元剤として用いるとより容易な操作で行えます。4)  基質によってはニッケルを触媒量に減ずることも可能です。5)

亜鉛を併用したニッケル触媒によるウルマンカップリングの例

参考文献

  1. Zhang, S., Zhang, D., Liebeskind, L. S.: J. Org. Chem., 62, 2312 (1997). DOI: 10.1021/jo9700078
  2. Nelson, T. D., Meyers, A. I.: Tetrahedron Lett., 35, 3259 (1994). DOI:10.1016/S0040-4039(00)76879-1
  3. Reisch, H. A., Enkelmann, V., Scherf, U.: J. Org. Chem., 64, 655 (1999). DOI: 10.1021/jo9817523
  4. Kende, A. S., Liebeskind, L. S., Braitsch, D. M.: Tetrahedron Lett., 16, 3375 (1975). DOI:10.1016/S0040-4039(00)91402-3
  5. Iyoda, M., Otsuka, H., Sato, K., Nisato, N., Oda, M.: Bull. Chem. Soc. Jpn., 63, 80 (1990). DOI:10.1246/bcsj.63.80

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