Shapiro Reaction
シャピロ反応
ケトンをトシルヒドラゾン化した後、2モル量のブチルリチウムを作用させ、トシル基・窒素の脱離を伴って生じるアルケニルリチウムと求電子剤と反応させると三置換アルケンが得られます。非対称ケトンの場合、二重結合は置換基の少ない側に生成します(速度論的支配)。炭素-炭素二重結合を位置選択的に作り出すことができる大きな利点があります。塩基としてNaOMeを用いる条件は、特にBamford-Stevens反応と呼ばれ、若干反応機構が異なり、こちらは熱力学的エノラートが生成するという特徴があります。
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反応機構
反応例
シクロヘキサノンからアルケンへの変換反応(位置選択的な炭素-炭素二重結合の生成)
Taxolの合成 1)
参考文献
1) Nicolaou, K. C. et al.: Nature, 367, 630(1994). doi:10.1038/367630a0
基本文献
- Bamford, W. R., Stevens, T. S.: J. Chem. Soc., 4735(1952). doi: 10.1039/JR9520004735
- Shapiro, R. H., Heath, M. J.: J. Am. Chem. Soc., 89, 5734(1967). doi: 10.1021/ja00998a601
- Shapiro, R. H., Lipton, M. F. , Kolonko, K. J., Buswell, R. L., Capuano, L. A.: Tetrahedron Lett, 22, 1811(1975). doi: 10.1016/S0040-4039(00)75263-4
- Shapiro, R. H., Org. React., 23, 405(1976). doi: 10.1002/0471264180.or023.03
- Adlington, R. M., Barrett, A. G. M.: Acc. Chem. Res., 16, 55(1983). doi: 10.1021/ar00086a004
- Chamberin, A. R., Bloom, S. H.: Org. React., 39, 1(1990). doi: 10.1002/0471264180.or039.01
- Maruoka, K., Yamamoto, H.: Comp. Org. Syn., 6, 763(1991). doi: 10.1016/B978-0-08-052349-1.00171-2
- Chamberlin, A. R., Sall, D. J.: Comp. Org. Syn., 8, 923(1991). doi: 10.1016/B978-0-08-052349-1.00251-1
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