Weinreb ketone synthesis

ワインレブケトン合成

N-メトキシ-N-メチルアミドは俗にWeinrebアミドと呼ばれ、Grignard試薬や有機リチウム剤と反応してケトンを与えます。酸ハライド・エステルにはこれらの試薬は2当量付加し、アルコールを与えてしまいますが、Weinrebアミドを経由すれば過剰付加が抑えられます。水素化リチウムアルミニウムやRed-Al、DIBALなどを用いてWeinrebアミドを還元すると、アルデヒドが得られます。

以下に示すようなモルホリンアミドやN-アシルピロール、N-アシルベンゾトリアゾールなども、同様の目的に用いることができます。

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反応例

Scabronine Gの合成 1)

Batrachotoxininの合成 3):モルホリンアミドを同様の目的に用いた例

反応機構

Weinrebアミドの還元によるアルデヒド合成 2)

温度計、スターラーバー、滴下漏斗、空冷管を備えた5L四方丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下LiAlH4(0.44 mol)および無水ジエチルエーテル(1.5 L)を加える。室温で1時間攪拌後、-45 ℃に冷却する。Boc-ロイシンWeinrebアミド(~100 g, 約0.4 mol)の無水ジエチルエーテル溶液(300 mL)を、反応温度を-35 ℃付近に保ちつつ滴下する。その後冷却槽を除去し、攪拌しつつ温度を5 ℃まで上昇させる。再び-35 ℃まで冷却し、KHSO4(96.4 g, 0.71 mol)水溶液(265 mL)を温度が0 ℃以上にならないよう、注意しつつ滴下する。冷却槽を除去し、1時間攪拌する。溶液をセライト濾過し、残渣をエーテル(500 mL)で洗浄する。合わせて得られた有機層を、1 mol/L塩酸(5 ℃に冷却、350 mLx3)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(350 mLx2)、飽和食塩水(350 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒除去後、Boc-L-Leucinalを油状物質として得る(69-70 g, 収率87-88 %)。生成物はフリーザー(-17 ℃)にて保存する。

参考文献

  1. Waters, S. P., Tian, Y., Li, Y.-M., Danishefsky, S. J.: J. Am. Chem. Soc., 127, 13514 (2005). doi:10.1021/ja055220x
  2. Goel, O. P., Krolls, U., Stier, M., Kesten, S.: Org. Synth., 67, 69 (1989). doi:10.15227/orgsyn.067.0069
  3. Kurosu, M., Marcin, L. R., Grinsteiner, T. J., Kishi, Y.: J. Am. Chem. Soc., 120, 6627 (1988). doi: 10.1021/ja981258g

基本文献

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