ELISAスキルチェック
ELISAスキルチェックは、ELISAの精度評価/技能評価/技術研修用に開発されたELISAキットです。1キットを3人で使用できるように設計されております。
ELISAスキルチェックでは、標準品、低濃度、高濃度の管理試料(QC)を測定し、得られた標準曲線からQC濃度を求めます。各標準品やQCの真度、C.V.値を比較することにより測定技量の確認ができます。
特長
- 短時間(3時間)で測定可能
- 環境に優しい防腐剤を使用
- すべての試薬が溶液タイプで即座に使用可能
- 1つのキットを3人(3組)で使用可能
用途
- ELISA測定に関する測定者(室)の継続的な技能評価
- 測定者(室)の問題点の把握また改善のチャンス
(不適切な操作手順,使用機器,設備の校正不良) - 測定室の付加的な信頼性の担保
- 測定室間差の把握
- 測定者への研修の機会
精度
アッセイ内変動試験 (5重測定、4検体)
→C.V.値は10 %未満
アッセイ間変動試験 (2重測定、3検体、3日間)
→C.V.値は10 %未満
- プレートリーダーはSUNRISE RAINBOW(TECAN)を使用
- 吸光度は測定環境により変動します
キット構成
-
(A)抗体固相化96ウエルプレート
・・・1枚
(B)標準品 (200 ng/mL)
・・・50 μL/1本
(C)緩衝液
・・・60 mL/1本
(D)ビオチン結合抗体
・・・20 μL/1本
(E)ペルオキシダーゼ・アビジン結合物
・・・40 μL/1 本
(F)発色液(TMB)
・・・12 mL/1本
-
(H)反応停止液(1M H2SO4)
・・・12 mL/1本
( I )濃縮洗浄液(10x)
・・・100 mL/1本
(J)プレートフレーム
・・・2個
・ プレートシール
・・・3枚
・管理試料(QC試料)1
・・・200 μL/1本
・管理試料(QC試料)2
・・・200 μL/1本
( )内は各構成品のシールと対応しています。
操作手順
抗体固相化96ウエルプレート
↓ 洗浄4回※
ビオチン結合抗体:100 μL
↓ 攪拌※※
標準溶液または管理試料:10 μL
↓ 攪拌※※(室温、2時間静置反応)
↓ 洗浄 4回※
ペルオキシダーゼ・アビジン結合物:100 μL
↓ 攪拌※※(室温、30分間静置反応)
↓ 洗浄4回※
発色液(TMB):100 μL
↓ 攪拌※※(室温、30分間静置反応)
反応停止液(1 M H2SO4):100 μL
↓ 攪拌※※
吸光度測定 (主波長450 nm、副波長620 nm)
室温:20~25 ℃
※ 洗浄液量目安:約300 μL/well x 3回
※※攪拌の目安:800 rpm-10秒 x 3回
測定結果記入項目と規格(例)
標準曲線 | 理論値 調製濃度 | Abs.1 | Abs.2 | Abs.mean | ⊿Blank | 逆回帰濃度 | 真度(%) | 規格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
① | ≦±25% | |||||||
② | ≦±20% | |||||||
③ | ≦±20% | |||||||
④ | ≦±20% | |||||||
⑤ | ≦±20% | |||||||
⑥ | ≦±25% | |||||||
Blank | ||||||||
回帰式: | 重み付け条件: | |||||||
QC資料 | Abs.1 | Abs.2 | Abs.mean | ⊿Blank | 定量値 | 真度(%) | 規格 | |
濃度 | ≦±20% |
- 標準曲線は定量下限及び定量上限を含む6濃度以上の標準曲線用標準試料及びBlank試料から構成される。
- 回帰式から求められた標準曲線用標準試料の各濃度の真度は、定量下限及び定量上限において理論値の±25 %以内とし、定量下限及び定量上限以外においては理論値の±20 %以内とする。アンカーポイントを除く標準曲線用標準試料の75 %以上かつ、定量下限及び定量上限を含む少なくとも6濃度の標準曲線用標準試料が上記の基準を満たすものとする。
- QC試料の真度は理論値の±20 %以内であるものとする。
- 逆回帰濃度とは検量線用標準試料の吸光度を作製した回帰式にあてはめ求めた濃度を指す。
参考資料:薬食審査発0401第1号 「医薬品開発における生体試料中薬物濃度分析法(リガンド結合法)のバリデーションに関するガイドライン」について
検出限界(DL)と定量限界(QL)について
検出限界(DL) DL=3.3s/a
定量限界(QL) QL=10s/a
s:Blank試料の吸光度の標準偏差、 a:検出限界付近の検量線の勾配
参考資料:厚生省 医薬審第338号
よい結果を出すためのポイント
ピペット選択について
10 μL/ウエル分注時は最大10 μL(または20 μL)のピペットを選択してください。
キット構成品の全てを室温化してからご使用ください
試薬、実験台表面温度が室温(20~25℃)になるためには1~2時間かかります。
各標準溶液作製時のポイント
試薬原液を希釈前にボルテックス等で泡立てないように注意しながら充分に攪拌してください。
96ウエルプレートへ分注
各標準溶液、検体は1試料につき3重測定以上をおすすめします。
各標準溶液分注は0濃度(Blank)、一番薄い濃度の標準溶液から分注してください。
ウエルに試薬溶液または検体を分注した際は必ず攪拌を充分実施してください。
洗浄工程(手洗浄の場合)のポイント
検体、標準溶液を分注し、指定時間反応させた後の1回目の洗浄は反応液を捨ててから、洗浄液を各ウエルに満たす際、他のウエルに移らないようにご注意ください。
洗浄液を各ウエルに満たした後10秒程度手のひらの上で軽く振とうさせた後洗浄液を廃棄してください。
洗浄後次の試薬を分注するまでにウエルを乾燥させないようご注意ください。ウエルの乾燥はBlankが上がる原因の1つです。
エッジ現象の対策
精製水の温度を室温に戻してから濃縮洗浄液を10倍に希釈してください。
恒温槽内で反応する際に恒温槽内の温度のバラツキを事前に確認してください。また、室内で反応する際に空調機器など熱源の影響を直接受けないところで反応を行ってください。手の温度がウエルプレートに伝わらないようにご注意ください。
洗浄方法の洗浄不足でも発生しますので上記洗浄工程のポイントをご参照ください。
反応中のウエルの乾燥防止対策
ウエルへ試薬を分注してから静置反応させる際は必ずプレートシールを貼ってください。
ELISAを行うすべての人に読んでほしい
ELISA -A to Z- 増補改訂第5版
シバヤギ技術顧問をされていた、群馬大学名誉教授の若林 克己先生がELISAの原理、実技、測定技術向上のコツを詳しく解説。
これからELISAを始める人はもちろん、経験を積んだ方にもぜひ読んでほしい一冊。実習や教育の解説にも役立ちます。
本キットの購入者には、ELISA -A to Z- の冊子をご提供しております。ご希望の方は当社担当営業もしくは当社販売代理店までご請求ください。
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