Jackson社 二次抗体の選び方
弊社HPを利用したJackson社の二次抗体の選び方をご紹介します。抗体選びのポイントも解説しています。用途に合わせて最適な二次抗体をご選択ください。
Step 1 :二次抗体のターゲット(標的)動物・分子を選びます
一次抗体の宿主(ホスト)動物種を確認します。
検出したい一次抗体のホスト動物がマウスの場合は、Mouse(Anti-Mouse)を選択します。
※注意※
Jackson社の二次抗体には、シリアンハムスターと、アルメニアンハムスターの2種類のハムスター抗体があります。一次抗体の宿主がどちらのハムスターであるかをご確認ください。系が完全に一致していないため、交差性に影響します。
ターゲット(標的)動物・分子より二次抗体を選びたい場合はこちら
Step 2 :二次抗体の宿主動物(免疫動物)種を選びます
以下4つの点に注意し、二次抗体の宿主動物を選択してください。
1.互換性:多重染色の際、同一動物種の二次抗体を使用することで、二次抗体どうしの相互作用を抑えることができます。
2.非特異的反応:二次抗体が内因性イムノグロブリンや他の一次抗体と交差反応をすることがあります。用途に応じた吸着処理済み二次抗体をご選択ください。
3.宿主動物の結合能:宿主動物種によって、二次抗体間で反応性が多少異なります。一般的にウサギの二次抗体は、他の動物種に比べて親和性が高いと報告されています。
4.ProteinA/Gとの結合性:ウサギの二次抗体は、ProteinAとGの両方と強く結合しますが、ヤギやロバの二次抗体は、ProteinGに高い結合性を示します。
Step 3: 抗体の特異性を選びます
Anti-IgG(H+L)
この抗体は、IgGの重鎖と軽鎖の両方、つまり、IgGのFc領域とF(ab’)2/ Fab領域の双方と反応します。軽鎖にはλ鎖とκ鎖の2種類があり、すべての免疫グロブリンはこのどちらかを持つため、この抗体は、IgM、IgA、IgD、IgE等、他のクラスのイムノグロブリンとも反応します。
Anti-IgG, F(ab’)2 fragment specific
IgGのF(ab’)2/ Fab領域と反応します。この抗体は軽鎖と反応するため、同一の軽鎖を持つ、IgM、IgA、IgD、IgE等、他のクラスのイムノグロブリンとも反応します。
Anti-IgG, Fc/ Fcγ fragment specific
この抗体は、IgGの重鎖のFc領域と反応します。
抗ヒト、マウス、ラット抗体には、IgMやIgAとの交差性を最小限に抑えた製品もラインアップしています。これらは製品名に、″Anti-IgG, Fcγ fragment specific“ と記載されています。
※注意※
"Anti-IgG, Fcγ fragment specific" 抗体が全てのモノクローナル一次抗体と均一に反応するわけではありません。IgGの4つのサブクラスと均一に反応するAnti-Mouse IgG, Fcγ fragment specific 抗体をお探しの場合は、Goat Anti-Mouse IgG(subclasses 1+2a+2b+3) Fcγ fragment specific(min X Hu, Bov, Rb, Sr, Prot) をご選択ください。
Step 4 :吸着処理動物種(min X...Sr Prot)を選びます
( )内に記載されている動物種のIgGや血清タンパク質を吸着除去しています。特定の動物種のイムノグロブリンが二次抗体と交差反応する可能性がある場合は、その動物種が( )内に記載されている抗体をお選びください。
※注意※
マウスとラット等近縁種に対して吸着処理を行っている抗体は、エピトープ認識能が大幅に減少しており、一部のモノクローナル抗体を認識しないことがあります。
例:Anti-Rat IgG (min X Mouse, …, Sr Prot)、Anti- Armenian Hamster IgG (min X Mouse, Rat, …, Sr Prot)
( )内で使用されている略号
min X= 吸着処理動物種 | Ar Hms=アルメニアンハムスター(Armenian Hamster) | Rb=ウサギ(Rabbit) |
Bov=ウシ(Bovine) | Sy Hms=シリアンハムスター(Syrian Hamster) | Shp=ヒツジ(Sheep) |
Ck=ニワトリ(Chicken) | Hrs=ウマ(Horse) | Sw=ブタ(Swine) |
Gt=ヤギ(Goat) | Hu=ヒト(Human) | Sr=血清(Serum) |
GP=モルモット(Guinea Pig) | Ms=マウス(Mouse) | Prot=タンパク質(Protein) |
Step 5 :標識を選びます
Enzymes/Biotin | ||
---|---|---|
HRP | Alkaline Phosphatase | Biotin-SP |
Excitation Range:350~436 nm | ||
DyLight™ 405 | Brilliant Violet 421™ | Coumarin AMCA |
Brilliant Violet 480™ |
Excitation Range:488~493 nm | ||
Cyanine Cy™ 2 | DyLight™ 488 | Alexa Fluor® 488 |
FITC | R-Phycoerythrin | PerCP |
Excitation Range:550~594 nm | ||
DyLight™ 549 | Cyanine Cy™ 3 | Rhodamine (TRITC) |
Rhodamine Red™-X (RRX) | Alexa Fluor® 594 | |
DyLight™ 594 | Texas Red® |
Excitation Range:650~792 nm | ||
APC | Alexa Fluor® 647 | Cyanine Cy™ 5 |
DyLight™ 649 | Alexa Fluor® 680 | Alexa Fluor® 790 |
Colloidal Gold | ||||
---|---|---|---|---|
4 nm | 6 nm | 12 nm | 18 nm | 40 nm |
※DyLight™ はThermo Fisher Scientificの商標です。
※Cy™ はCytivaの商標です。
※Rhodamine Red™ -X はThermo Fisher Scientificの商標です。
※Alexa Fluor® はThermo Fisher Scientificの登録商標です。
標識より二次抗体を選びたい場合はこちら
二次抗体の選択
●ターゲット(標的)動物・分子 より二次抗体を選ぶ
●標識より二次抗体を選ぶ
●抗体の形態より二次抗体を選ぶ
二次抗体の形態
Jackson社の二次抗体には、Whole IgG、F(ab’)2フラグメント、Fabフラグメントの3つの形態があります。
Whole IgG
イムノアフィニティークロマトグラフィーにより抗血清から単離された抗体です。
抗原結合部位であるFab領域を2つとFc領域をもちます。平均分子量は約160 kDaです。
本抗体は殆どの用途に適しており、コストパフォーマンスにも優れています。
F(ab’)2フラグメント
ペプシン消化により、Whole IgGからFc領域のほとんどを取り除いた抗体です。
抗原結合部位であるFab領域が2つ、ジスルフィド結合で連結しています。平均分子量は約110 kDaです。
本抗体はプロテインAやG、Fc 受容体を持つ生細胞と二次抗体が結合するのを避けたいときに使用します。
※注意※
一次抗体の形態がWhole IgGの場合、一次抗体のFc領域がサンプル上のFc 受容体と結合し、バックグラウンドが上がる可能性があります。
抗体の形態が Whole IgGである一次抗体や二次抗体がサンプル上のFc 受容体に結合するのを防ぐため、標識二次抗体の宿主動物種と同じ動物種の正常血清を5%含んだ緩衝液中で、サンプルをインキュベートしてください。
Fabフラグメント
パパイン消化により、Whole IgGからヒンジ領域を含むFc領域を完全に取り除き、Fabのみとなった抗体で、抗原結合部位は1つです。平均分子量は約50 kDaです。
この抗体は、サンプル中の内因性イムノグロブリンのブロッキングや、同一宿主由来の一次抗体を使用した多重染色の際に露出したイムノグロブリンのブロッキングに使用します。
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