Jackson社 二次抗体の選び方

Jackson社のカタログを利用した二次抗体の選び方をご紹介します。抗体選びのポイントも解説しています。用途に合わせて最適な二次抗体をお選びください。

Jackson社カタログの表記例

Step 1

二次抗体の種類を選ぶ

Jackson社の二次抗体には、Whole IgG、F(ab’)2フラグメント、Fabフラグメントの3つの形態があります。
用途に合わせてお選びください。

Whole IgG

イムノアフィニティークロマトグラフィーにより抗血清から単離された抗体です。
抗原結合部位であるFab領域を2つとFc領域をもちます。平均分子量は約160 kDaです。
本抗体は殆どの用途に適しており、コストパフォーマンスにも優れています。

F(ab’)2フラグメント

ペプシン消化により、Whole IgGからFc領域のほとんどを取り除いた抗体です。
抗原結合部位であるFab領域が2つ、ジスルフィド結合で連結しています。平均分子量は約110 kDaです。
本抗体はプロテインAやG、またはFc 受容体を持つ生細胞と、二次抗体が結合するのを避けたい場合に使用されます。

※注意※
二次抗体の形態に関わらず、一次抗体の形態がWhole IgGの場合は、一次抗体がサンプル上のFc 受容体と結合してバックグラウンドが上がる可能性があります。
Whole IgG一次抗体や二次抗体がFc 受容体に結合するのを防ぐため、標識二次抗体の宿主動物種と同じ動物種の正常血清5%を含む緩衝液中で、サンプルをインキュベートしてください。

Fabフラグメント

パパイン消化により、Whole IgGからヒンジ領域を含むFc領域を完全に取り除き、Fabのみとなった抗体で、抗原結合部位は1つです。平均分子量は約50 kDaです。
この抗体は、サンプル中の内因性イムノグロブリンのブロッキングや、同一宿主由来の一次抗体を使用した多重染色の際に露出したイムノグロブリンのブロッキングに使用されます。

Step 2

二次抗体のターゲット種(抗原由来動物)を選ぶ

一次抗体の免疫動物種を確認します。
検出したい一次抗体の由来がマウスの場合は、Mouse(Anti-Mouse)を選択します。

※注意※
Jackson社の二次抗体には、シリアンハムスターと、アルメニアンハムスターの2種類のハムスター抗体があります。一次抗体の宿主がどちらのハムスターであるかをご確認ください。系が完全に一致していないため、交差性に影響します。

Step 3

二次抗体の宿主動物種(免疫動物)を選ぶ

以下4つの点に注意し、二次抗体の宿主動物を選択してください。

  1. 互換性:多重染色の際、同一動物種の二次抗体を使用することで、二次抗体どうしの相互作用を抑えることができます。
  2. 非特異的反応:二次抗体が内因性イムノグロブリンや他の一次抗体と交差反応をすることがあります。用途に応じた吸着処理済み二次抗体をご選択ください。
  3. 経験:宿主動物種によって、二次抗体間で反応性が多少異なります。一般的にウサギの二次抗体は、他の動物種に比べて親和性が高いと報告されています。
  4. ProteinA/Gとの結合性:ウサギの二次抗体は、ProteinAとGの両方と強く結合しますが、ヤギやロバの二次抗体は、ProteinGに高い結合性を示します。

Step 4

抗体特異性を選ぶ

Anti-IgG(H+L)

この抗体は、IgGの重鎖と軽鎖両方、つまり、IgGのFc領域とF(ab’)2/ Fab領域の双方と反応します。軽鎖にはλ鎖とκ鎖の2種類があり、すべての免疫グロブリンはこのどちらかを持つため、この抗体は、IgM、IgA、IgD、IgE等、他のクラスのイムノグロブリンとも反応します。

Anti-IgG, Fc/ Fcγ fragment specific

この抗体は、IgG重鎖のFc領域と反応します。
抗ヒト、マウス、ラット抗体には、IgMやIgAとの交差性を最小限に抑えた製品もあります。これらは、″Anti-IgG, Fcγ fragment specific“ と記載されています。

※注意※
"Anti-IgG, Fcγ fragment specific"抗体が全てのモノクローナル一次抗体と均一に反応するわけではありません。IgGの4つのサブクラスと均一に反応するAnti-Mouse IgG, Fcγ fragment specific抗体をお探しの場合は、Goat Anti-Mouse IgG(subclasses 1+2a+2b+3) Fcγ fragment specific(min X Hu, Bov, Rb, Sr, Prot)をご選択ください。

Anti-IgG, F(ab’)2 fragment specific

IgGのF(ab’)2/ Fab領域と反応します。この抗体は軽鎖と反応するため、同一の軽鎖を持つ、IgM、IgA、IgD、IgE等、他のクラスのイムノグロブリンとも反応します。

Step 5

吸着処理動物種(min X...Sr Prot)を選ぶ

( )内に記載されている動物種のIgGや血清タンパク質を吸着除去しています。特定の動物種のイムノグロブリンが二次抗体と交差反応する可能性がある場合は、その動物種が( )内に記載されている抗体をお選びください。

※注意※
マウスとラット等近縁種に対して吸着処理を行っている抗体は、エピトープ認識能が大幅に減少しており、一部のモノクローナル抗体を認識しないことがあります。
 例:Anti-Rat IgG (min X Mouse, …, Sr Prot)、Anti- Armenian Hamster IgG (min X Mouse, Rat, …, Sr Prot)

( )内で使用されている略号
min X= 吸着処理動物種 Ar Hms=アルメニアンハムスター(Armenian Hamster) Rb=ウサギ(Rabbit)
Bov=ウシ(Bovine) Sy Hms=シリアンハムスター(Syrian Hamster) Shp=ヒツジ(Sheep)
Ck=ニワトリ(Chicken) Hrs=ウマ(Horse) Sw=ブタ(Swine)
Gt=ヤギ(Goat) Hu=ヒト(Human) Sr=血清(Serum)
GP=モルモット(Guinea Pig) Ms=マウス(Mouse) Prot=タンパク質(Protein)

Step 6

標識を選ぶ

Enzymes/Biotin
HRP Alkaline Phosphatase Biotin-SP
Excitation Range:350~436 nm
DyLight™ 405 Brilliant Violet 421™ Coumarin AMCA
Brilliant Violet 480™
Excitation Range:488~493 nm
Cyanine Cy™ 2 DyLight™ 488 Alexa Fluor® 488
FITC R-Phycoerythrin PerCP
Excitation Range:550~594 nm
DyLight™ 549 Cyanine Cy™ 3 Rhodamine (TRITC)
Rhodamine Red™-X (RRX) Alexa Fluor® 594
DyLight™ 594 Texas Red®
Excitation Range:650~792 nm
APC Alexa Fluor® 647 Cyanine Cy™ 5
DyLight™ 649 Alexa Fluor® 680 Alexa Fluor® 790
Colloidal Gold
4 nm 6 nm 12 nm 18 nm
  • DyLight™ はThermo Fisher Scientificの登録商標です。
  • Cy™ はGE Healthcareの登録商標です。
  • Rhodamine Red™ -X はInvitrogenの登録商標です。
  • Alexa Fluor® はLife Technologies Corp.の登録商標です。

抗体検索システム

当社ホームページでJackson社の二次抗体検索が可能です。

①当社ホームページ右上(または、試薬TOPページ)の「製品を検索」の右端にある▼をクリックします。
②「化合物」の隣の「抗体」をクリックします。
③「抗原由来動物(抗体の選び方:Step2)」「免疫動物(抗体の選び方:Step3)」「標識(抗体の選び方:Step6)」で希望するものを選択します。
④「製造元」の「頭文字を選択」で "J" を選んだあと、「メーカー名を選択」で"Jackson Immuno Ressarch Laboratolies Inc."を選択します。
⑤「詳細検索」ボタンを押下してください。

  • 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
  • 掲載されている試薬は、試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
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