ミトコンドリアを長時間染め続ける

同仁化学 ミトコンドリア染色蛍光色素(MitoBright LTシリーズ)

MitoBright LTシリーズは、ミトコンドリアを長時間観察することができるミトコンドリア染色試薬です。血清入り培地中で染色できるため、細胞への影響をできるだけ少なくミトコンドリアを検出することができます。
既存の低分子のミトコンドリア試薬は、細胞内滞留性や細胞毒性の問題がありましたが、MitoBright LTシリーズはこれらの課題を克服しています。

なぜ、ミトコンドリアの動態を長時間観察するのか?

ミトコンドリアは細胞内のエネルギー産生の場であるだけでなく、がんや老化、アルツハイマーやパーキンソン病の神経変性疾患などと密接に関連する非常に重要な細胞内オルガネラの一つです。
ミトコンドリアは融合と分裂を繰り返し形態を変化させており、この現象はミトコンドリアダイナミクスと言われています。ミトコンドリアの形態制御異常が様々な疾患に関与することからその動態を長時間観察する需要が増えています。

特長

MitoBright LTは、他とここが違う!!

  • 長時間 細胞に滞在する

  • 血清入りの培地で染色できる

既存の低分子のミトコンドリア試薬では、ミトコンドリアの長期的な観察をする際に課題がありました。
MitoBright LTシリーズは「3日以上の細胞内滞在性が必要」、「血清入り培地で染色したい」というお客様の声をもとに製品化した製品です。

データ

4日以上培養した細胞でミトコンドリアを観察

HeLa細胞をHBSSにて洗浄後、各MitoBright LTまたは既存試薬にて染色し、血清入り培地に入れ替え、4日以上継続培養し、ミトコンドリアの観察を行った。
その結果、既存試薬は蛍光強度が4日後に大きく低下したのに対し、 MitoBright LTは蛍光強度が維持され、ミトコンドリアを明瞭に観察できた。さらに継続して培養を行った結果、 MitoBright LTは7日後もミトコンドリアに色素が滞留していることが確認された。

検出条件

MitoBright LT Green、既存試薬(T社)Green
MitoBright LT Red、既存試薬(T社)Red
MitoBright LT Deep Red、既存試薬(T社)Deep Red
:Ex 488 nm/Em 500-560 nm
:Ex 561 nm/Em 560-620 nm
:Ex 640 nm/Em 650-700 nm

タイムプス動画は同仁化学研究所HPで閲覧できます。

血清入りの培地で染色できる

MitoBright LTと既存試薬にて、血清有無の培地で染色した。既存試薬は血清入り培地で染色した場合、蛍光が暗くなるのに対し、MitoBright LTは血清入り培地中で染色しても蛍光強度が低下することなく、ミトコンドリアを明瞭に染色することができた。

検出条件

MitoBright LT Green、既存試薬(T社)Green
MitoBright LT Red、既存試薬(T社)Red
MitoBright LT Deep Red、既存試薬(T社)Deep Red
:Ex 488 nm/Em 500-560 nm
:Ex 561 nm/Em 560-620 nm
:Ex 640 nm/Em 650-700 nm

フローサイトメーターでの検出

  • MitoBright LT Green


    Ex:488 nm
    Em:515 nm - 545 nm
  • MitoBright LT Red


    Ex:488 nm
    Em:564 nm - 604 nm
  • MitoBright LT Deep Red


    Ex:633 nm
    Em:650 nm - 670 nm

Jurkat 細胞(3.2 x 105 cells/mL) をRPMI 培地 (10 % fetal bovine serum, 1 % penicillin-streptomycin) で35 cm ディッシュに播種し、37 ℃、5 % CO2 インキュベーター内で一晩培養した。
培地を取り除き、MitoBright LT working solution (100 nmol/L, 5 mL) を添加し37 ℃ で30 分間インキュベートした。
溶液を取り除き、5 mL のRPMI 培地を用いて2 回洗浄した。
RPMI 培地を添加し、細胞培養を継続し、その細胞を2 日毎にフローサイトメーターで解析した。

コラーゲンコートプレートを用いたミトコンドリア検出

ミトコンドリアの形態評価は高倍率で観察するため、コラーゲンコートしたガラスプレートがよく使用されます。
既存のミトコンドリア染色試薬は、コラーゲンに吸着しバックグラウンドを上昇させる問題がありましたが、MitoBright LTシリーズはバックグラウンドの影響がなく鮮明にミトコンドリアを染色できます。


スケールバー: 50 μm

染色条件

HeLa細胞をコラーゲンコートプレートに播種し、24時間培養後 上澄みを抜き取り、HBSS にて洗浄。
100 nmol/L MitoBright LT Red working solution を添加し、30分インキュベート後上澄みを抜き取り、HBSS にて洗浄後、蛍光顕微鏡で観察。

観察条件

Ex:561 nm, Em:560–620 nm

結果

既存試薬はバックグラウンドが見られましたが、MitoBright LTで染色したミトコンドリアはバックグラウンドの影響がなく、鮮明にミトコンドリアを染色した。

既存試薬との比較

MitoBright LTは、既存試薬の課題(細胞内滞留性、血清入り培地での染色)を克服しています。
また、DMSO溶液のため、染色液の調整の手間がなくすぐに使用できます。

MitoBright LT 既存試薬(T社)
Green Red Deep Red Green Red Deep Red
製品形態 DMSO溶液 固体
生細胞滞留性 × × ×
血清入り培地での染色
染色後の固定化(PFA)
染色後の固定化(MeOH) × × × × × ×

使用回数の目安

MitoBright LT
容量
蛍光顕微鏡 フローサイトメーター
(35 mm dish, working solution 2mL/dish
使用した場合)
(working solution 1 mL
使用した場合)
20 μL 10 枚 20 回
400 μL x 1 200 枚 400 回
400 μL x 3 600 枚 1200 回

※100 nmol/L MitoBright LT working solutionを調製した場合。

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MitoBright LT Green

MitoBright LT Red

MitoBright LT Deep Red

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