同仁化学 ミトコンドリア脂溶性過酸化物検出試薬(MitoPeDPP)
MitoPeDPPは、分子内にミトコンドリアへ局在化するトリフェニルホスホニウム基を持つため、細胞膜を透過してミトコンドリアへ集積します。ミトコンドリアへ集積したMitoPeDPPは、膜中の脂溶性過酸化物によって特異的に酸化され蛍光を発します。エネルギー産生のため、酸素を多く消費するミトコンドリアにおいて、活性酸素種(ROS)を評価することは非常に重要ですが、MitoPeDPPでは実際にROSなどの酸化ストレス条件下で酸化された脂溶性ミトコンドリア膜などの過酸化物をイメージングにより評価できます。
※本製品は福岡大学理学部 塩路先生らによって開発された製品です。
生体内で発生した活性酸素種(ROS)は、脂質(LH)と反応し脂質ラジカル(L・)を生じます。更に酵素と反応し生成した脂質ペルオキシラジカル(LOO・)は、別の脂質と反応することで過酸化脂質(LOOH)を生成します。
特長
- 細胞小器官であるミトコンドリア特異的に集積する
- ミトコンドリア膜中の脂溶性過酸化物を検出可能
- 励起波長488 nm、蛍光波長 535 nmで測定可能なため、光によるダメージや試料由来の自家蛍光の影響を軽減
ミトコンドリア染色試薬 MitoRedとの比較
A:MitoPeDPPを細胞にロード後、t-BHPによる外部刺激
B:ミトコンドリア染色試薬 MitoRed染色
C:A、B の重せ合わせ画像
反応選択性能
A:HepG2細胞中でMitoPeDPPを15分インキュベート後、100 μmol/L t-BHPを添加。さらに15分インキュベート後、顕微鏡画像を取得。
B:HepG2細胞中でMitoPeDPPを15分インキュベート後、各種ROS、RNS発生剤を添加。H2O2、NO、ONOO- は各発生剤の濃度を100 μmol/L使用。
O2- はPMAにより発生させ10 μmol/Lの濃度で使用。
※写真は位相差画像(左)、蛍光画像(右)
※フィルター(wavelength/bandpass):470/40(Ex)、525/50(Em)
細胞内でミトコンドリアに集積したMitoPeDPPは脂溶性過酸化物質により酸化を受けて蛍光を発した(A)。
一方、細胞内では他のROS、RNSとの反応性は低いことが確認された(B)。
Rotenoe 刺激による検出例
HeLa細胞にMitoPeDPPを添加した後、Rotenoe溶液を加え、蛍光顕微鏡を用いて観察した。Rotenoe添加により細胞内に生じた脂溶性過酸化物が検出された。
写真:Rotenoe添加
左:直後、中:90分後、右:180分後
上:蛍光画像、下:位相差画像
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