Robinson Annulation
ロビンソン環形成反応
分子間Michael反応→分子内アルドール縮合により、6員環を含む縮環化合物を合成する方法です。
ビニルケトンを用いる必要があり、この重合反応が主たる副反応となります。
Wieland-Miescherケトンと呼ばれる結晶性のRobinson環化体は有用な合成中間体の一つです。ステロイド・テルペノイド系天然物合成の出発原料として重宝されます。プロリン触媒を用いることで、光学活性なものが大量調製可能です(Hajos-Parris-Eder-Sauer-Wiechert反応)。
本記事はWEBに混在する化学情報をまとめ、それを整理、提供する化学ポータルサイト「Chem-Station」の協力のもと、ご提供しています。
Chem-Stationについて
反応機構
反応例
塩基存在下加熱する条件では、熱力学支配のエノラートから反応が進行します。エナミンを用いることで、その位置異性体を合成できます。
Michaelアクセプターのα位にシリル基を導入することで、生じるカルボアニオンを安定化するとともに、ビニルケトンの重合を抑制して収率よくRobinson環化を行うことが出来ます。
有機分子触媒をもちいる置換シクロヘキセノンの不斉合成1)
Wichterle変法2)
重合しやすいメチルビニルケトンの代わりに1,3-ジクロロ-cis-2-ブテンを用いる改良法が知られています。
参考文献
- Carlone, A., Marigo, M., North, C., Landa, A. and Jorgensen, K. A. : Chem. Commun., 4928 (2006). DOI: 10.1039/b611366d
- (a) Wichterle, O. et al. : Collect. Czech. Chem. Commun., 13, 300 (1948).
(b) Kobayashi, M. and Matsumoto, T. : Chem. Lett., 957 (1973). doi:10.1246/cl.1973.957
(c) Yoshioka, H., Takasaki, K., Kobayashi, M. and Matsumoto, T. : Tetrahedron Lett., 20, 3489 (1979). doi:10.1016/S0040-4039(01)95442-5
(d) Review: Hudlicky, M. : Collect. Czech. Chem. Commun., 58, 2229 (1993).
基本文献
- DuFeu, E .C., McQuillin, F. J. and Robinson, R. : J. Chem. Soc., 53 (1937).
- Wieland, P. and Miescher, K. : Helv. Chim. Acta, 33, 2215 (1950). doi:10.1002/hlca.19500330730
- Bergmann, E. D., Gingberg, D. and Pappo, R. : Org. React., 10, 179 (1959).
- Balasubramanian, K., John, J. P. and Swaminathan, S. : Synthesis, 51 (1974).
- Gawley, R. E. : Synthesis, 777 (1976). doi:10.1055/s-1976-24200
- Jung, M. E. : Tetrahedron, 32, 3 (1976). doi:10.1016/0040-4020(76)80016-6
製品一覧
- 項目をすべて開く
- 項目をすべて閉じる
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 掲載されている製品について
- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
- 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
- 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
- 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。
Share