Friedel-Crafts Alkylation

フリーデル・クラフツアルキル化反応

Lewis酸触媒を用い、アルキル基を求電子的に芳香環に導入する反応(SEAr反応)です。

本反応の欠点としては多置換体ならびにアルキル転位体の副生があります。特にR'-Xが第一級ハロゲン化アルキルの時は、完全な炭素陽イオンができないためWagnar-Meerwein型転位などが併発します。このため分子内反応以外には適用しにくい反応です。分子間反応はFriedel-Craftsアシル化のほうが合成化学的には有用です。

本記事はWEBに混在する化学情報をまとめ、それを整理、提供する化学ポータルサイト「Chem-Station」の協力のもと、ご提供しています。
Chem-Stationについて

反応機構

Friedel-Craftsアルキル化は、求電子的芳香族置換反応(SEAr)形式で進行します。一般に電子豊富な芳香環ほど反応速度が速くなります。反応後のアルキル化体は、反応前よりも芳香環の電子密度が増加しているため、出発物よりも反応性に富みます。このため、多置換体の生成が主たる副反応となります。

カルボカチオン様中間体が安定でない一級ハライドなどは、Wagner-Meerwein転位やβ-脱離反応を併発し、複数の生成物を与えます。

反応例

 

参考文献

  1. Patil, M. L., Borate, H. B., De Clercq, E., Pannecouque, C., Witvrouw, M., Stup, T. L., Turpin, J. A., Buckheit, R. W., Jr. and Cushman, M. : Tetrahedron Lett., 40, 4437 (1999). doi:10.1016/S0040-4039(99)00766-2

基本文献

  • Friedel, C. and Crafts, J. M. : J. Chem. Soc., 32, 725 (1877).
  • Friedel, C. and Crafts, J. M. : Bull. Soc. Chim. France, 27, 530 (1877).
  • Calloway, N. O. : Chem. Rev., 17, 327 (1935). DOI: 10.1021/cr60058a002
  • Price, C. C. : Org. React., 1 (1946).
  • Olah, G. A. : Comprehensive Organic Synthesis, 3, 293 (1991).

製品一覧

  • 項目をすべて開く
  • 項目をすべて閉じる

  • 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
  • 掲載されている製品について
    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
  • 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
  • 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。