宮崎県警察・宮崎大学・富士フイルム和光純薬の三者共同開発

教育用 Educationシリーズ「ルミノール反応実験キット」

ルミノール(Luminol)は過酸化水素と反応して紫青色の発光を示す化合物です。この発光反応は鉄や銅、コバルトなどの遷移金属やその錯体、およびペルオキシダーゼなどの酸化酵素によって触媒されます。

この発光量を測定することで過酸化水素や金属の微量定量や定性試験に使用されます。血液に含まれるヘモグロビン中の鉄錯体が触媒となり、発光反応を励起することから、犯罪現場における血痕検出にも応用されています。

本キットは、鑑識用に開発された製品を教育用にキット化しました。新課程高校化学教科書「化学反応とエネルギー」の実験用キットとして最適です。また、犯罪現場での血痕検出が簡単に体験できます。

特長

試薬を水に溶かすだけ。
  • 2種類の試薬を水に溶かすだけで、ルミノール発光試薬溶液が調製できます。
  • 電子天秤やメスシリンダーなどの器具類は不要です。
  • 高校化学「化学反応とエネルギー」の実験教材として最適です。

キット内容

10 班(4 人 1 班)で実験可能/実験時間:15 分

  1. ルミノール(粉末):0.5 g x 1 袋
  2. 過酸化ナトリウム(顆粒):2.5g x 1 袋[劇物]
    500 mL分のルミノール発光試薬溶液が調製できます。
キット以外に必要なもの
  • 蒸留水(なければ水道水):500 mL
  • ビーカーまたはフタ付きポリ容器(500mL 容)
  • 対象物となるサンプル(10 %フェリシアン化カリウム溶液、 0.1 % ヘミン溶液、血液サンプルなど)
  • 保護めがね

反応機構

アルカリ溶液中で鉄などの金属が触媒となり、ルミノールがジアザキノン中間体を形成することで、フタル酸ジアニオンの励起状態が生じます。さらに反応が進むと、最終的に2-アミノフタル酸ジアニオンが生成され、基底状態に戻ります。このエネルギー励起状態が基底状態に戻るときに発光が起こります。

実験方法

滴下実験

必要な備品:ビーカーまたは試験管、スポイト:班の数

ルミノール発光試薬溶液をビーカーまたは試験管へ小分けします。サンプル溶液をルミノール発光試薬溶液へ滴下し発光を観察します。

  • 滴下・噴霧と同時に発光します。滴下・噴霧は暗室または暗所で行ってください。
  • サンプル溶液はキットには含まれておりません。以下のいずれかを準備してください。
    • ・0.1 %ヘミン溶液:ヘム鉄、ヘミン、ヘモグロビンのいずれか20 mgを20 mLの蒸留水で溶解
    • ・10 %フェリシアン化カリウム溶液:フェリシアン化カリウム0.2g を2 mLの蒸留水へ加えて溶解
    • ・血液サンプル:市販の食肉を細かく切り、微量の蒸留水を加えてかく拌

キットの使用方法(ルミノール発光試薬溶液の調製)

キット先端をカットして試薬を溶解するだけの2ステップ!
本製品 1 包を蒸留水に溶かし、対象物に滴下・噴霧します。

噴霧実験

必要な備品:スプレー容器、シート状のもの(紙、布、プラスチック板など):班の数

対象物となるサンプルをシート状のものへ塗布します。ルミノール発光試薬溶液をスプレー容器へ移し、サンプルへ噴霧して発光を観察します。

応用実験

必要な備品:スプレー容器、シート状のもの(紙、布、プラスチック板など) :班の数

黒いシートへ筆を使って、サンプル溶液で文字やイラストを描きます。ルミノール発光試薬溶液をスプレーで噴霧すると紫青色に文字が浮きあがります。

Q&A

水は、蒸留水でなければいけませんか

蒸留水または滅菌精製水をおすすめしますが、水道水でも問題ありません。蒸留水と同様の化学発光の様子を観察することができます。

調製後の溶液の保存期間はどれくらいですか

保存状態によりますが、1週間以内の使用をおすすめします。調製後はすぐに劣化がはじまるため、鮮明な発光を観察したい場合はできるだけ実験の直前に調製することをおすすめします。保存する場合は、冷蔵(2~10 ℃)で遮光保存してください。フタ付きポリ容器での保存をおすすめします。

調製前、調製後の試薬の保存方法はどのようにすればいいですか

過酸化ナトリウムは劇物、危険物に該当します。調製前の試薬は、鍵のかかる保管庫で保管してください。調製後の溶液は「5%以下の過酸化ナトリウムを含む溶液」のため劇物非該当となります。実験開始まで、冷蔵庫で遮光保存してください。

廃棄方法について

残余廃棄物(廃液):水道(下水)へ流さないでください。廃棄は地域、国、現地の適切な法律、規制に則って廃棄してください。汚染容器及び包装:廃棄は地域、国、現地の適切な法律、規制に則って廃棄してください。

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