同仁化学 脂肪滴染色蛍光試薬 Lipi series・脂肪滴測定キット
Lipiシリーズは、脂肪親和性の高い低分子蛍光試薬であり、疎水性環境下で蛍光が増強します。また、試薬を添加するだけで生細胞および固定化細胞中の脂肪滴をイメージングまたは量的変動を数値化することができます。
脂肪滴とその機能
脂肪滴は、トリアシルグリセロールやコレステロールなどの中性脂肪が単分層のリン脂質一重膜によって取り囲まれた構造体です。脂肪滴は脂肪細胞のみに存在するわけではなく、すべての細胞に普遍的に存在しています。
脂肪滴はその表面に種々のタンパク質が結合し、体内の脂質代謝制御において重要な役割を担っていることが明らかになっています1)。また、脂肪滴とオートファジー2)、細胞老化3)といった細胞内現象との相関性も示唆されており、脂肪滴の形成・成長・融合・分解のメカニズムをより詳細に解明するツールが待ち望まれています。
参考文献
- Fujimoto, T. et al. : ”Lipid droplets: a classic orangelle with new outfits.” Histochem Cell Biol., 130(2), 263(2008).
- Singh, R. et al. : ”Autophagy regulates lipid metabolism.” Nature, 458(7242), 1131(2009).
- Yokoyama, M. et al. : ”Inhibition of endothelial ap53 improves metabplic abnormalities related to dietary obesity.” Cell Reports, 7(5), 1691(2014).
脂肪滴の染色例
オレイン酸を添加したHeLa細胞を生細胞の状態で、Lipiシリーズの各色素で染色しました。
染色条件HeLa細胞の培養液中に200 µmol/Lオレイン酸を添加、一晩培養後に細胞をPBSで洗浄し、Lipiシリーズの各色素1 µmol/Lにて15分間染色し観察。 上段:蛍光画像 検出条件
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抗体検出法との高い相関
HepG2細胞を4 % PFAにて固定化後、100 nmol/L Lipi-Greenにて染色。その後、脂肪滴膜上のタンパク質(Adipophilin;ADFP)を認識する抗ADFP蛍光標識一次抗体により免疫染色しました。結果、Lipi-Greenは脂肪滴マーカーであるADFPの局在と高い相関を示しました。
検出条件
- Lipi-Blue:Ex. 488 nm/ Em. 500-600 nm
- 抗ADFP抗体(Alexa Fulor®647):Ex. 640 nm/ Em. 650-700 nm
Lipi シリーズの蛍光特性
数値化も専用のキットだからできる
脂肪滴測定キットは必要なプロトコル、アッセイ用のバッファーを含んでおり、簡便に脂肪滴の数値化が可能なキットです。
プレートアッセイによる実験例
A549 細胞にオレイン酸または脂肪滴の形成阻害剤であるTriacsin C を添加し、脂肪滴測定キットを用いて脂肪滴の量的変動を数値化した。
結果、コントロールならびにTriacsin C を加えた細胞と比較して、オレイン酸を添加した細胞で脂肪滴の量が増加していることを確認した。
検出条件
Blue :Ex 376 - 386 nm、 Em 435 - 455 nm
Deep Red :Ex 623 - 633 nm、 Em 649 - 669 nm
フローサイトメトリーによる実験例
HeLa 細胞にオレイン酸または脂肪滴の形成阻害剤であるTriacsin C を添加し、脂肪滴測定キットを用いて脂肪滴の量的変動を数値化した。
結果、コントロールならびにTriacsin C を加えた細胞と比較して、オレイン酸を添加した細胞で脂肪滴の量が増加していることを確認した。
検出条件
Blue :Ex 405 nm、 Em 425 - 475 nm
Deep Red :Ex 640 nm、 Em 650 - 670 nm
操作を大幅に短縮 生細胞も使用可能
脂肪滴測定キットで用いる蛍光色素は、生細胞ならびに固定化細胞での使用が可能です。そのため、比色試薬を用いた方法と比較して測定に必要な時間を大幅に短縮することができます。また、プレートに色素が沈着しないため、実験の再現性を高めることが可能です。
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脂肪滴染色蛍光試薬 Lipi series
脂肪滴測定キット
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