エ-ムス試験用試薬

エームス試験の原理

本試験は細菌を用いて突然変異性を検出する試験です。本試験に使用する菌株は遺伝子操作によってある一部のアミノ酸の合成ができないようになっています。この菌株に化学物質などを加えることによって突然変異が生じ、元の野生株と同じように自身でアミノ酸が合成できるようになった結果、最少グルコース寒天培地(テスメディアAN培地)上で増殖して形成されるコロニーの数をカウントします。

つまり、アミノ酸を合成できないように改良した菌が突然変異により菌が本来有しているアミノ酸合成ができるように復帰するという意味から復帰突然変異試験と名付けられています。ちなみにエームス試験とはこの試験を開発した米国カリフォルニア大学のAmes教授に由来するものです。

菌株

使用菌株

1)ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium):TA100、TA98、TA1535、TA1537
2)大腸菌(Escherihia coli):WP2uvrA

遺伝子変異型

1)塩基対置換型:TA100、TA1535、WP2uvrA
2)フレームシフト型:TA98、TA1537

実施試験

試験構成

菌株ごとに陰性対照(溶媒)、サンプル、陽性対照(ポジコンAMマルチセット)とし、代謝活性化によらない場合と代謝活性化による場合の2系列で試験を行います。

代謝活性化

ヒトにおいて化学物質によっては代謝されはじめて突然変異を引き起こす作用(変異原性という)を示すものと代謝されない方が変異原性を示すものが存在するため、本試験ではその両方について試験を行います。代謝活性化の方法はラットの肝臓をすりつぶして遠心分離(9,000G)した上清液(S-9:この中に代謝酵素が含まれている)に必要な補酵素(Cofactor-I)を加えたもの(一般にS-9 mixと呼ばれる)を菌液と化学物質を作用させるときに加えます。

試験の流れ

各菌株を液体培地中で37℃、8~10時間(菌数が増殖ピークとなる)振盪培養します。
菌液、S-9 mix(代謝活性化による場合)又はbuffer(代謝活性化によらない場合)、検体液を混合し軟寒天を加え最少グルコース平板培地(テスメディアAN培地)に撒き広げます。
37℃、48時間培養し形成されたコロニー数の計測、菌の生育阻害の観察(培地中にみられる細かい菌の生え具合を実体顕微鏡で観察)を行います。

引用:オリエンタル酵母工業株式会社

製品一覧

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最少グルコース寒天平板培地

本品は労働省化学物質調査課編のガイドブック「安衛法における変異原性試験」に従って調製された、微⽣物を⽤いる変異原性試験に使⽤する最少グルコース寒天培地です。製品は厳しい品質管理を⾏っており、常に均⼀な培地をご利⽤いただけます。

陽性対象物質

ひとつの新規化学物質のエームス試験が全て⾏えるよう、各微⽣物に対する陽性コントロール化学物質とその使⽤濃度を組み合わせてセット化しました。

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