無血清タイプの細胞凍結保存溶液
GCリンフォテック BAMBANKER™・BAMBANKER™ Direct
GCリンフォテックのBAMBANKER™は、無血清タイプの細胞凍結保存溶液です。血清不含のため、血清由来の未知成分や感染物質が細胞に影響を及ぼす恐れがなく、成分組成によるロット間差がないため品質が安定しております。
また、血清タイプと同等の高い生存率が得られることから安心してお使いいただけます。
BAMBANKER™ Directは、培養懸濁液と等量を加えるだけで、遠心分離による細胞回収を行わずに急速凍結(-80℃)および長期保存が可能です。また、遠心分離を行った場合と比較して、作業時間を約1/3に短縮できるというデータも得られています。さらに、20年以上の販売実績を誇る『BAMBANKER™』と同等の性能が確認されており、安心してご使用いただけます。
特長
- 無血清タイプだが血清含有凍結保存溶液と同等の細胞生存率(特許取得済)
- プログラムフリーザー不要。-80℃で急速かつ長期間保存可能
- マウスES細胞でも実績有1)
- BAMBANKER™ Directは細胞培養液に直接加えるだけで凍結保存可能。遠心操作が不要です
参考文献
- T.Hikichi, et al; Differentiation Potential of Parthenogenetic Embryonic Stem Cells Is Improved by Nuclear Transfer, Stem Cells, 25, 46-53(2007)
- Durruthy-Durruthy, J. et al. : Nature Genetics, 48, 44-52 (2016).
- Sugii, S. et al. : Nature Protocols, 6, 346–358 (2011).
- Zaidi, SK. et al. : Proc Natl Acad Sci U S A, 104, 19861–19866 (2007).
ユーザーレポート
操作法
BAMBANKER™
- 対数増殖期※にある細胞を遠心し、5 x 105~1 x 107個程度集めます。
- 回収した細胞をBAMBANKER™1mLに懸濁し、凍結保存用チューブに入れ、予備凍結せずに-80℃で凍結保存します。
-80℃で凍結した細胞はその後液体窒素でも保存できます。 - 解凍操作は恒温槽中で速やかに行ってください。
- 凍結保存の成功のカギは、細胞の状態にあります。保存する細胞が対数増殖期にあることが、凍結後の生細胞率を高めるために重要です。
BAMBANKER™ Direct
- 培養中の液と等量のBAMBANKER™ Directを加えます※
- 培養液とBAMBANKER™ Directが均一になるように軽くピペッティングします。
- BAMBANKER™ Direct混合液を凍結保存用チューブに移し、-80℃で凍結保存します。
- 付着細胞の場合は、培養上清を取り除き、PBSで洗浄したのち、細胞剥離液を加え、剥離液と等量のBAMBANKER™ Directに懸濁します。
細胞種による生存率の比較
細胞名 | 保存期間 | 生存率 | ||
---|---|---|---|---|
BAMBANKER™ | A社血清含有タイプ | A社血清不含タイプ | ||
P3U1(マウスミエローマ細胞株) | 12ヶ月 | 95 % | 95 % | 70 % |
K562(ヒト白血病細胞株) | 12ヶ月 | 73 % | 70 % | 60 % |
ヒト胃上皮細胞 | 10ヶ月 | 100 % | 62 % | 56 % |
ヒトγδT細胞 | 10ヶ月 | 65 % | 37 % | 35 % |
Daudi(ヒトB細胞株) | 12ヶ月 | 100 % | 100 % | 92 % |
PC12(ラット由来副腎褐色細胞腫) | 11ヶ月 | 95 % | 59 % | 20 % |
ヒトB細胞株 | 9ヶ月 | 74 % | 54 % | 35 % |
OKT4(マウスハイブリドーマ) | 12ヶ月 | 100 % | 100 % | 92 % |
サルB細胞株 | 10ヶ月 | 56 % | 40 % | 18 % |
※保存条件:-80℃
マウス線維芽細胞株保存効率の比較
実験条件
- 使用細胞:マウス線維芽細胞株
- 保存細胞数:4 x 106 cells/ vial (各細胞は1mLの保存液に懸濁した。)
- 保存温度:-80℃, 直接保管箱に入れて冷却した。
- 保存期間:45日間・解凍方法:常法により解凍した。
自家調製保存液(10%DMSO含有FBS)は、死滅している細胞が多く認められ、増殖能の停滞も観察されるが、BAMBANKER™は、解凍直後から活発な細胞増殖能が認められ、殆どの細胞が生存を確認出来た。 (詳細はページ上部のユーザーレポートにて)
データご提供:東京医科大学 生化学分野 森谷先生
BAMBANKER™ 実績細胞一覧
3T3‐L1 (マウス前駆脂肪細胞株) | HepG2 (ヒト肝臓がん細胞株) | P3U1 (マウスミエローマ細胞株) |
A431 (ヒト扁平上皮がん細胞株) | HFF (ヒト正常繊維芽細胞株) | PANC‐1 (ヒト膵がん細胞株) |
BAEC (ウシ大動脈血管内皮細胞株) | Huh7 (ヒト肝がん細胞株) | PC12 (ラット由来の副腎褐色細胞種株) |
Balb/3T3 (マウス繊維芽細胞株) | Jurkat (ヒト白血病T細胞株) | RPE (ヒト細膜上皮細胞株) |
C2C12 (マウス骨格筋細胞株) | K562 (ヒト慢性骨髄性白血病細胞株) | SNL (マウス胎仔線維芽細胞) |
Daudi (ヒトB細胞株) | KATOIII (ヒト胃癌上皮細胞株) | TSU‐Pr1 (ヒト前立腺がん細胞株) |
ECV304 (ヒト臍帯静脈内皮細胞株) | KLM‐1 (ヒト膵がん細胞株) | Vero (アフリカミドリザル腎細胞株) |
H295R (副腎皮質細胞) | MDCK (イヌ腎臓尿細管上皮細胞株) | ヒトγδT細胞 |
HEK293(ヒト胎児腎細胞株) | MEF (マウス胎仔線維芽細胞) | ヒトB細胞株サルB細胞株 |
HEK293T (ヒト胎児腎細胞株) | NIH3T3 (マウス胎児皮膚細胞株) | ヒト抹消血由来活性化リンパ球 |
HeLa (ヒト子宮頸がん細胞株) | OKT4 (マウスハイブリドーマ) | ヒト不死化筋細胞マウス脾臓由来活性化リンパ球 |
HeLa S3 (ヒト子宮頸がん細胞株) | OP9 (マウス骨髄性ストローマ細胞) | マウスES細胞株 |
サンプル申し込み
BAMBANKER™・BAMBANKER™ Directのサンプル包装(10mL)を提供しております。
サンプルをご希望の方は、下記WEBフォームからご応募ください。アンケートにもご協力お願いいたします。
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