Horner-Wadsworth-Emmons 試薬

ホスホン酸のイリドとアルデヒドが付加することにより、Wittig 反応類似の機構を経てα、β-不飽和エステルが得られる。

基質はホスファイトとα-ハロエステルから Michaelis-Arbuzov 反応によって合成できる。エステルの他に、ニトリル、アリール、ビニル、スルフィド、アミン、エーテルなどの官能基も利用できる。

反応は一般に E 選択的であるが、反応例のような試薬を利用すると Z 選択的になる。

反応副生物であるリン化合物は水溶性であり、分液操作などによって容易に除去できる。この点は Wittig 反応よりも優れている。

本記事はWEBに混在する化学情報をまとめ、それを整理、提供する化学ポータルサイト「Chem-Station」の協力のもと、ご提供しています。
Chem-Stationについて

反応機構

反応例

ホスホナート部に(CF3CH2O)2P(O)-基を利用すると Z 体が選択的に得られる(Still-Gennari法)1)

同様に、 (ArO)2P(O)-基を用いても Z 選択的になる(安藤法)2)

LiCl を添加剤として用いると、DBU や Hunig Base 程度の弱塩基性条件で反応が進行する。NaH や LDA などの強塩基性条件下で不安定な化合物の場合、特に有効である(Roush-正宗法)3)

参考文献
  1. Still, W. C. and Gennari, C. : Tetrahedron Lett., 24, 4405 (1983).
  2. Ando, K. : J. Org. Chem., 62, 1934 (1997).
  3. Ando, K. : J. Org. Chem., 63, 8411 (1998).
  4. Ando, K. : J. Org. Chem., 64, 6815 (1999).
  5. Blanchette, M. A., Choy, W., Davis, J. T., Essenfeld, A. P., Masamune,S., Roush, W. R. and Sakai, T. : Tetrahedron Lett., 25, 2183 (1984).

基本文献

  • Horner, L., Hoffmann, H. M. R. and Wippel, H. G. : Ber., 91, 61 (1958).
  • Horner, L., Hoffmann, H. M. R., Wippel, H. G. and Klahre, G. : Ber., 92, 2499 (1959).
  • Wadsworth, W. S., Jr. and Emmons, W. D. J. : Am. Chem. Soc., 83, 1733 (1961).
  • Boutagy, J. and Thomas, R. : Chem. Rev., 74, 87 (1974).
  • Wadsworth, W. S., Jr. : Org. React., 25, 73 (1977).
  • Maryanoff, B. E. and Reitz, A. B. : Chem. Rev., 89, 863 (1989).
  • Kelly, S. E. : Comprehensive Organic Synthesis, 1, 729 (1991).

製品一覧

  • 項目をすべて開く
  • 項目をすべて閉じる

  • 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
  • 掲載されている試薬は、試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
  • 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
  • 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。