AβオリゴマーELISAキット
アミロイドβ(Aβ)は、約40アミノ酸から成るペプチドでアルツハイマー病患者の脳内に蓄積し老人斑という構造を形成ため、アルツハイマー病の原因因子として考えられています。また、Aβは、ペプチド同士が凝集し2量体以上のAβオリゴマーと呼ばれる凝集体になることで毒性を発揮するという仮説が報告されています。
さらに、Aβオリゴマーには分子量の違いからいくつか種類があり、低分子のオリゴマーをアルツハイマー病の原因とする仮説と高分子のオリゴマーを原因とする仮説があります。
本製品は、高分子(9量体以上)のAβオリゴマーを特異的に測定可能なELISAキットで、Aβモノマーや低分子(8量体以下)のAβオリゴマーにはほとんど反応しません。
比較表
製品名 | High Molecular Amyloid β Oligomer ELISA Kit Wako Ver.2 | High Molecular Amyloid β Oligomer ELISA Kit Wako |
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製品コード | 290-82001 | 298-80101 |
検量線範囲※1 | 0.41~100 pM(ヒト脳脊髄液) 0.16~40 pM(ヒト血清・血漿(EDTA)) |
0.410~100 pM (ヒト脳脊髄液) |
反応する Aβオリゴマー |
≧9mer Aβオリゴマー | ≧9mer Aβオリゴマー |
測定対象検体 | ヒト血清・血漿(EDTA)、ヒト脳脊髄液 in vitro Aβオリゴマー |
ヒト脳脊髄液 in vitro Aβオリゴマー |
必要検体量 | ヒト脳脊髄液:25μL(4倍希釈時) ヒト血清・血漿(EDTA):50μL(2倍希釈時) |
ヒト脳脊髄液:25μL(4倍希釈時) |
測定時間 | 4時間30分 | 4時間30分 |
検出法 ※2 | 発光系 | 発光系 |
- 1:スタンダードとなる16量体MAPペプチド換算
- 2:測定には発光 プレートリーダーが必要です。
測定原理
抗Aβ抗体(BAN50)を捕捉抗体と検出抗体の両方に用いたサンドイッチELISA系は、1-8量体にはほとんど反応せず、 9量体以上のAβオリゴマーに対し特異的に反応します1)2)。
標準品には、抗Aβ抗体(BAN50)の抗体認識配列を16本持つ16量体MAPペプチドを使用しています2)。
高分子Aβオリゴマーへの特異性データ
Aβ1-42ペプチドを冷蔵で一晩インキュベーションした後、限外ろ過で30kDa未満(8量体以下)と30kDa以上(9量体以上)に分離して、それぞれの画分で抗Aβ抗体(BAN50)によるウエスタンブロットと本製品によるELISAを行った。
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ウエスタンブロット(抗Aβ抗体(BAN50))
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AβオリゴマーELISAの結果
8量体以下(<30kDa)のFraction Bではほとんどシグナルが見られず、9量体以上(≧30kDa)のFraction Aでは強いシグナルを示した。
参考文献
- Fukumoto, H., et al.: FASEB J., 24(8), 2716(2010).
- Kasai, T., et al.: Biochem. Biophys. Res. Commun., 422 (3), 375(2012).
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