NMR法の取り組み
NMRを利用した定量分析
NMR(Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴)は有機化合物の構造解析を行う代表的な分析法として広く利用されています。また、NMRは化合物中の原子核の数の比がピーク面積比に対応する特性を持つため、定量性が確保できる条件で測定することで、化合物の純度を調べることも可能です。
1H NMR による純度測定では、測定対象の化合物と純度が既知の基準物質(内標準物質)をそれぞれ精密に混ぜ合わせ、重水素溶媒に溶解した溶液で1H NMR 測定を行います。得られたスペクトル上に観測される測定対象と内標準物質の化合物に由来するピーク面積、プロトン数、調製質量および分子量の関係から、式1により定量値を算出することができます。
1H NMR による定量分析(定量 NMR)では、スペクトル上に観測される水素原子のピーク面積を定量的に比較可能なため、測定対象の化合物とシグナルが重ならない限り、一つの基準物質で、水素を含む多くの化合物の純度や含量の評価が可能です。 (定量NMRについての詳細はこちらをご参照ください)
富士フイルムワコーケミカルでは本法を採用し、GC、HPLCなどの品質保証から順次切り替えを進めています。(一部の製品は従来通りの品質保証です)
特長
- 定性、定量として多くの情報が得られる
- 無機物や、残留溶媒が含まれていると含量が下がるため、真の値に近い
NMRを利用した品質保証例※
Ethyl Isothiocyanatoformate (CAS: 16182-04-0)
測定条件
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3-Acetylthiophene (CAS: 1468-83-3)
測定条件
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- 掲載されている製品について
- 【試薬】
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