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QA番号:13391

Q試薬の「劣化」について教えてください。

A

試薬は製造直後から経時的に劣化していきます。
主な要因としては、「光」「熱(温度)」「酸素(空気)」「湿度(水分)」「二酸化炭素(炭酸ガス)」などがあります。
開封後は速やかに、使い切ることをお勧めします。
保管する際は、劣化をなるべく抑えるために適切な保管方法が必要です。

  • 劣化速度の違いの要因:試薬の種類(物性)、純度、不純物、保存条件、取扱い方法
  • 安定性(経時変化)の要因:光、温度、酸素(空気)、湿気(水分)、二酸化炭素(炭酸ガス)、その他(風解・揮散(揮発)・重合)

これら要因が重なり、いっそう劣化が早まることもあります。

対応法

化学物質に著しく影響のある光の波長範囲は、250~450nmです。(紫外線又はそれに近い波長の光)
この波長の光源としては「太陽光」「電灯」その他の「人工光」があり、これらの光を避けるため、遮光瓶や遮光包装に入れる等、暗所で保管します。
光の影響を受けやすい試薬は、遮光能力のある容器での保管が必要で、できるだけ更に暗所に置く事を推奨します。
(参考) 光の色と波長の関係
(参考) 光の色と波長の関係
熱(温度)
高温:
自らの結晶水を放出し、結晶がその放出された水に溶解し、乾燥すると固結する事があります。
また、重合や酸化が促進されやすくなります。
低温:
凝固点が高い試薬は、寒冷期に固結します。
また、低温により重合度が変化し沈殿物が生成する場合があります。
試薬に見合った保存場所に保存する事が必要です。
当社「保管条件」
  • 室温:30℃以下
  • 冷所/なるべく涼しい場所:25℃以下
  • 冷蔵:2~10℃
  • 冷凍:-20℃
  • 超冷凍:-80℃
酸素(空気) 空気中の酸素による試薬の酸化が、経時変化の要因となる場合があります。
使用後は直ちに密栓し保管するなどの注意が必要です。
特に酸化されやすい試薬は、不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガスなど)が封入されており、この場合は使用後に改めて不活性ガスを封入し保管することが望ましいです。
湿気(水分)
二酸化炭素(炭酸ガス)
吸湿した試薬は劣化が著しく促進されるため、手際よくすみやかに扱い、使用後は直ちに密栓し保存するなどの注意が必要です。
必要に応じてデシケーターに保存します。