PI酸化オスミウムⅡ型
PI Osmium Oxide TypeⅡ
ドキュメント
概要
四酸化オスミウムはオレフィンのジヒドロキシル化反応に用いられます。しかし昇華性があり毒性が強いため、取り扱いに注意を必要とします。また回収が困難であることから、環境に与える影響も懸念されています。
これらの問題点を解決するための試薬として、高分子カルセランド(Polymer-Incarcerated)型触媒[PI Os]があります。これはオスミウムをポリマーに担持させるマイクロカプセル化技術と、それに続くポリマーの架橋反応によって調製された固定化触媒です(下図参照)1)。
本製品では、オスミウムを担持させるポリマーの分子量を大幅に増大させることにより、PI Os に比べ高い耐溶剤性を実現しました。スチレン誘導体で不斉ジヒドロキシル化反応を行うと、オスミウムの漏れ出しを従来の触媒よりさらに抑制しつつ、高収率かつ高選択的に反応が進行します 2)。

反応例
α-メチルスチレンジヒドロキシル化反応を、触媒を回収・再使用し5 回連続して行ったところ、活性の低下を伴うこ となく高収率かつ高選択的にジヒドロキシル化体が得られました。また、様々なスチレン誘導体でも高収率かつ高選 択的に目的物が得られました。

参考文献
- 秋山 良, 小林 修:日本化学会第 90 春季年会 1F6-39 (2010).
- 三宅 寛, 秋山 良, 小林 修:日本化学会第 90 春季年会 1F6-40 (2010).
概要・使用例
概要 | オスミウムはオレフィン酸のジヒドロキシル化に有用な触媒です。本品はオスミウムを高分子ポリマーに固定化しており、回収・再使用が可能です。また従来品に比べ、オスミウムが漏れないよう改善されました。 四酸化オスミウムの高分子カルセランド(Polymer-Incarcerated)型触媒の新タイプを発売しました。本品は、オスミウムをポリマーに担持させるマイクロカプセル化技術とそれに続くポリマーの架橋反応によって調製された固定化触媒です。 四酸化オスミウムはオレフィンのジヒドロキシル化反応に用いられています。しかし、昇華性があり、毒性が強いため取扱いに注意を必要とします。また、回収が困難であることから環境に与える影響も懸念されています。 現在、これらの問題点を解決するため、高分子カルセランド型触媒[PI Os]を販売しています。今回紹介するPIOsmium Oxide Type Ⅱ[PI Os Ⅱ]は、オスミウムを担持させるポリマーの分子量を大幅に増大させたことにより、従来品のPI Osに比べて高い耐溶剤性を有しています。スチレン誘導体で不斉ジヒドロキシル化反応を行うと、従来の触媒よりオスミウムの漏れ出しをさらに抑制し、高収率かつ高選択的に反応が進行します。 特長 ●反応生成物または原料との分離が容易(触媒の回収が容易) ●繰り返し使用が可能 ●昇華性抑制による毒性、刺激臭の低減 ●耐溶剤性向上によるオスミウムの漏れ出しを抑制 和光純薬時報 Vol.78 No.4 p.36 (2010.10) |
---|---|
使用上の注意 | 不活性ガス封入 |
物性情報
外観 | 黒色, 結晶〜粉末又は塊 |
---|
製造元情報
別名一覧
- PIOsⅡ
Polymer Incarcerated Osmium Ⅱ
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 製品規格・包装規格の改訂が行われた場合、画像と実際の製品の仕様が異なる場合があります。
- 掲載されている試薬は、試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
- 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。
Share