Wako LALシステム

LumiMAT Pyrogen Detection Kit

本品はMonocyte Activation Test(MAT法)により発熱性物質(Pyrogen)を検出するためのキットです。
発熱性物質は、動物の体内で体温上昇を引き起こす物質の総称であり、非経口医薬品や血液に触れる医療機器は、発熱性物質に汚染されていないことが求められます。発熱性物質を広く検出する試験として最も早く実用化された方法が、ウサギの静脈内に被験試料を投与し、体温変化を観察することで発熱性物質の有無を判定するウサギ発熱性物質試験です。しかしウサギ発熱性物質試験は、再現性や精度、コストなどの問題があり、代替法としてLimulus Amebocyte Lysate 試薬(LAL試薬)が広く使われるようになりました。ただ、LAL試薬は非エンドトキシン発熱性物質を検出できないことから、必要に応じてウサギ発熱性物質試験も使用されています。
MAT法は、ウサギ発熱性物質試験の代替法として開発されたIn vitro 発熱性物質試験であり、エンドトキシンのみでなく、非エンドトキシン発熱性物質も検出することができます。

ウサギ発熱性物質試験 LAL試薬 MAT法
発熱性物質 エンドトキシン(グラム陰性菌細胞壁由来) 検出 検出 検出
非エンドトキシン発熱性物質(グラム陽性菌、ウイルス、真菌などに由来する発熱性物質) 検出 非検出 検出
測定原理

MAT法は、ヒト単球系細胞が発熱性物質により活性化され、炎症性サイトカイン等を産生することを利用して発熱性物質を検出する方法です。

従来のMAT法

細胞ソースとしてPBMC (末梢血単核球) などを用い、単球系細胞から放出されたサイトカインをELISA法で測定することで検体中の発熱性物質を検出します。

LumiMAT™

発熱性物質の暴露により活性化されるNF-κBシグナルに応答してルシフェラーゼタンパクを発現するシステムを単球細胞 (NOMO-1細胞) に導入したレポーター細胞を使用します。 発熱性物質がToll-like Receptor (TLR) に結合するとNF-κBシグナルが活性化され、ルシフェラーゼタンパクが発現します。そこに発光基質を加えると発光反応が生じ、発光強度を測定することで発熱性物質を測定することができます。

Monocyte Activation test 測定原理
特長
Monocyte Activation Test Assay Flow
アッセイフロー
Monocyte Activation test assay principle

96well プレートに被験検体またはエンドトキシン標準品を分注し、レポーター細胞を加えて3 時間インキュベーションした後、発光基質を加え、生じた発光をプレートリーダーで測定します。 従来のELISA 測定に比べて、簡便な1 プレートアッセイで、試験間差を抑制することができます。 また、トータル5 時間程度で測定結果が得られ、従来法の1.5日から大幅に短縮できます。

検量線範囲

LumiMAT検量線
RLU:Relative Light Unit
EU:Endotoxin Unit

エンドトキシン標準品を用いて標準曲線を作成し、発熱性物資量をEndotoxin Equivalents(EE)/mLとして算出します。

検量線範囲:0.0125~0.8 EE/mL

操作法動画

測定データ

再現性

LumiMAT™細胞3ロットを用いて、真度と精度を測定しました (n=4、各ロット3回ずつ試験) 。6濃度のスタンダードエンドトキシン (USP-RSE) を添加して、検量線から濃度 (EU/mL) を算出しました。

LumiMATのAccuracy
LumiMATのPrecision

いずれのロットにおいても、真度 (測定値/真値):±10%以内、精度:CV20%以下と高い再現性が確認されました。

NEP (Non-Endotoxin Pyrogen) への反応性

各Toll-like receptor(TLR)に対するNEPを種々の濃度で添加し、検量線からEE/mLとして各NEPの濃度を算出しました。縦軸:EE/mL、横軸:添加したNEP濃度

non-endotoxin pyrogenへの反応性
non-endotoxin pyrogenへの反応性
non-endotoxin pyrogenへの反応性
non-endotoxin pyrogenへの反応性
non-endotoxin pyrogenへの反応性
non-endotoxin pyrogenへの反応性
non-endotoxin pyrogenへの反応性
non-endotoxin pyrogenへの反応性

いずれのNEPも検出できることが確認されました。

添加回収試験

  • 1. 市販医薬品を用いた添加回収試験

    各医薬品にエンドトキシン標準品を添加し、回収率を算出しました。

    Drug MVD* Fold-dilution Spike recovery (%) n=3 Interference**
    0.1 EU/mL 0.4 EU/mL 0.8 EU/mL
    Albumin
    25%I.V. 5 g/20 mL
    480 10 121.6 98.9 97.5 N
    100 134.8 119.4 110.3 N
    400 109.5 110.3 108.0 N
    Aciclovir
    25 mg/mL
    500 10 67.5 63.7 50.2 N
    100 89.7 87.8 82.3 N
    400 96.0 95.6 99.2 N
    Epoetin Alfa
    750 I.U./0.5 mL
    12000 100 99.3 103.1 105.2 N
    500 92.9 100.5 102.6 N
    1000 87.9 98.0 98.9 N
    Romosozumab
    105 mg/1.17 mL
    10200 100 109.9 110.5 112.6 N
    500 94.9 94.3 98.6 N
    1000 95.0 92.0 92.3 N

    *MVD : Maximum Valid Dilution **No interference : 50<Recovery(%)<200

    いずれの医薬品でもMVD範囲の希釈倍率で、50~200%の回収率が得られました。

  • 2. .医薬品原料を用いた添加回収試験
    添加回収試験
    様々な検体の試験に適用できます。
製品情報
コードNo. 品名 容量 希望納入価格 保管温度
298-36991 LumiMAT™ Pyrogen Detection Kit - Cells 96 Tests 80,000円 -80℃
297-96801 LumiMAT™ Pyrogen Detection Kit - Reagent Set 96 Tests 80,000円 -20℃

キット内容

◎LumiMAT™ Pyrogen Detection Kit - Reagent Set
細胞用培地 20 mL
希釈用培地 100 mL
発光アッセイバッファー 12 mL
発光基質 240 μL
◎LumiMAT™ Pyrogen Detection Kit - Cells
LumiMAT™ 細胞 350 μL

※アッセイには、LumiMAT Pyrogen Detection Kit – Cells、Reagent Setの両方が必要です。

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