イオン液体(カチオン種別)

イオン液体を構成する化学種はカチオンとアニオンです。
典型的カチオンの基本骨格は「イミダゾリウム系」「ピリジニウム系」「ピロリジニウム系」「ピペリジニウム系」「アンモニウム系」「ホスホニウム系」で、側鎖のアルキル基をデザインすることで結晶化のしにくさ、ガラス転移温度や融点、粘度などの物性を制御することが可能です。
典型的なアニオンは、ハロゲン化物イオン、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドが挙げられます。ハロゲン化物イオン液体は、他のアニオンに比べて、一般に、高融点、高粘性率、高吸湿性などの欠点がありますが、極性は高いイオン液体として注目されます。また、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドをアニオンとするイオン液体は吸湿性が低く、低融点、低粘性率を示すことで知られます。 当社では、多数のイオン液体を取り扱っています。ご希望のカウンターカチオンとカウンターアニオンの組み合わせでお選びください。

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イオン液体を構成するカチオン種とアニオン種

イオン液体を構成する化学種はカチオンとアニオンです。
典型的カチオンの基本骨格は「イミダゾリウム系」「ピリジニウム系」「ピロリジニウム系」「ピペリジニウム系」「アンモニウム系」「ホスホニウム系」で、側鎖のアルキル基をデザインすることで結晶化のしにくさ、ガラス転移温度や融点、粘度などの物性を制御することが可能です。
典型的なアニオンは、ハロゲン化物イオン、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドが挙げられます。ハロゲン化物イオン液体は、他のアニオンに比べて、一般に、高融点、高粘性率、高吸湿性などの欠点がありますが、極性は高いイオン液体として注目されます。また、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドをアニオンとするイオン液体は吸湿性が低く、低融点、低粘性率を示すことで知られます。

当社では、多数のイオン液体を取り扱っています。ご希望のカウンターカチオンとカウンターアニオンの組み合わせでお選びください。

参考文献

西川 恵子、大内 幸雄 他:「イオン液体の科学-新世代液体への挑戦-」 (丸善出版株式会社) (2012).

イオン液体の物性

イオン液体は、カチオン部位とアニオン部位からなる塩の構造ですので、それぞれが持つ特性やそれらの組合せによって、物性が大きく変化する場合があります。よく議論される物性は、粘度、各媒体との相溶性、電気化学的な安定性などです。

イオン液体を溶媒として用いる場合、その粘度がかなり高いことがしばしば問題になります。例えば、イミダゾリウム塩である[BMIm] 塩の粘度は、PF6塩で312 mPa・s (25℃)、BF4塩で233 mPa・s(25℃)と極めて高いため、撹拌に支障が出てしまいます。アニオン部位としてNTf2基を用いることで(bis(trifluoromethanesulfonyl)imide基)で、52mPa・s(25℃)まで粘度を下げることができます1)

アニオンの違いによるイミダゾリウム塩の粘度の比較

さらに電気的特性においては、同じアニオン部位を持つものであれば、アルキル基が長くなると誘電率が低くなる傾向があります2)

アルキル鎖の長さによるイミダゾリウム塩の誘電率の比較

参考文献

  1. 福山高英, 柳日馨:有機合成化学協会誌, 2005, 63(5), 503-510.
  2. 高橋節子:電気化学および工業物理化学,1991, 59(1),14-21.