ペプチダーゼ (溶菌)

グラム陽性菌のような強固な細胞壁をもつバクテリアからプラスミドDNAを抽出する場合、溶菌酵素によってバクテリアの細胞壁を分解する必要があります。

溶菌酵素として一般的に使用されるのは細胞壁の構成成分であるペプチドグリカンを加水分解するリゾチームです1) 。しかし黄色ブドウ球菌など一部のバクテリアでは、リゾチームの溶菌作用に耐性を持つものも存在し、プラスミド抽出は困難とされていました2)

しかし1977年に、Achromobacter lyticus由来の溶菌酵素であるアクロモペプチダーゼにより黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)からプラスミドDNAの抽出に成功したと報告されました2)。アクロモペプチダーゼは広い溶菌スペクトルを有し、卵白リゾチームより溶菌力が強いことから、現在ではグラム陽性菌を始めとした様々なバクテリアの溶菌や放線菌のプロトプラストの作製に使用されています。

参考文献

  1. 平尾一郎 胡桃坂仁志 編, 目的別で選べる核酸実験の原理とプロトコール, 羊土社, 2011
  2. Horinouchi, Sueharu, et al. "A new isolation method of plasmid deoxyribonucleic acid from Staphylococcus aureus using a lytic enzyme of Achromobacter lyticus." Agricultural and Biological Chemistry 41.12 (1977): 2487-2489.