一次抗体 (全般)

抗体は標的の分子に特異的に結合するタンパク質であり、生物の免疫反応において重要な役割を担っています。この標的の分子に特異的に結合するという性質から、生命科学分野における研究においても広く利用されています。一次抗体は目的の分子に結合する抗体を示します。当社は世界的にも評価が高いR&D Systems社の抗体製品を製品を販売しています。

学術コンテンツ

抗体の非特異的反応

抗体は特定の抗原に特異的に結合するとされていますが、その特異性や親和性は抗体によって様々です。特に市販の抗体では高価であるにも関わらず、特異性があまり高くないものも存在します。また非特異的なシグナルの要因として、二次抗体が一次抗体以外を認識してしまうことが挙げられます。R&D Systems社ではこれらの問題に対応した抗体をラインアップしております。

 

ノックアウトバリデーション抗体

抗体の特異性を判断する有効な評価方法として、 ノックアウト細胞を用いた検証方法(ノックアウトバリデーション)があります。

ノックアウトバリデーションとは、抗体の評価を(A)標的タンパク質の遺伝子を持つ細胞と、(B)その遺伝子をノックアウトした細胞の両方で行うことです。実験としてはウエスタンブロッティングや免疫細胞染色、フローサイトメトリーが用いられます。目的タンパク質の遺伝子を持つ細胞でシグナルが検出され、ノックアウト細胞で検出されない場合、その抗体は標的タンパク質を特異的に認識していることになります。逆にノックアウト細胞でもシグナルが検出された場合、その抗体は非特異的なタンパク質に結合している可能性があります。

ノックアウトバリデーション抗体を使用すれば、本来実験とは関係ないシグナルを、標的タンパク質のシグナルと勘違いする危険性を減らすことができます。

標識一次抗体

抗原に直接結合する抗体を一次抗体、一次抗体に結合する抗体を二次抗体と呼びます。多くの場合、二次抗体には検出などを目的にあらかじめ酵素や蛍光色素などが結合されています。二次抗体を使用することで、より増強されたシグナルを得ることができますが、二次抗体による非特異的結合や抗体の動物種が制限されることに注意が必要です。

二次抗体による非特異的結合が気になる場合には、 標識一次抗体を使用することがひとつの解決策となります。さらに標識一次抗体を使用すれば、二次抗体のインキュベート時間も短縮することができます。

抗体のロット間差

動物に抗原を投与し、採取した抗血清をそのまま、あるいは分画して得られるポリクローナル抗体はロット間差が大きいことが知られています。この課題を解決したのが抗体産生細胞であるB細胞と増殖能を有するミエローマ細胞を融合させたハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体です。しかし、モノクローナル抗体でも遺伝子変異や細胞株の不連続変異によって抗体産生が不安定になる場合があります。

リコンビナント抗体はイムノグロブリン遺伝子をクローニングし、大腸菌や培養細胞で発現させることで得られる抗体です。リコンビナント抗体は配列決定がされているので、ロット毎の一貫性を保証することが可能で、長期に渡って安定的に抗体を産生することができます。これにより抗体のロット間差による再現性の低下を防ぐことができます。

抗体の抗原性

抗体は抗原を認識し排除する役割がありますが、抗体の相補性決定領域(CDR)がエピトープとなり、抗体に対する抗体が産生されることがあります。このように、ある抗体のエピトープを特異的に認識する抗体を抗イディオタイプ抗体と呼び、生体内では免疫反応を制御している重要な因子であると考えられています。

抗体医薬に対する抗イディオタイプ抗体は抗体医薬の体内動態を調べるために必要なツールとなります。この解析には投与される抗体医薬そのものもしくは バイオシミラー抗体をコントロールとして使用する必要があります。