カールフィッシャー法製品

カールフィッシャー法とは(1)式のように⽔と選択的に、かつ定量的に反応するカールフィッシャー試薬(よう素、⼆酸化硫⻩、塩基、およびアルコール等の溶剤より構成)を⽤いて⽔分を測定する⽅法です。

I2 +SO2+3Base+ROH+H2O ⇒ 2Base・HI+Base・HSO4R......(1)

この⽅法には電量滴定法と容量滴定法の2種の測定方法があります。

容量滴定法 測定方式 電量測定法
水分の多い試料向き 特徴 水分の少ない試料向き
数100 ppm~数10 %
(概ね1 ㎎ H2O以上)
水分量のめやす 数10 ppm~1 %程度
(概ね10 ㎎ H2O以下)
滴定剤・脱水溶剤 試薬 陽極液・陰極液

国内ではJIS(⽇本産業規格)はもちろんJAS(⽇本農林規格)、⽇本薬局⽅、⾷品添加物公定書および⽯油学会規格などにも採⽤され、国際規格ISOや各国の標準試験法ASTM(⽶国)、DIN(独)、BS(英国)などにも採⽤されています。

学術コンテンツ

容量滴定法

ヨウ素を含む滴定剤の添加量から水分量を求める方法です。試薬の選択の幅が広く、電量法に比べ、より多様な試料に対して適用が可能です、あらかじめ滴定剤の力価を求めておく必要があります。

電量滴定法

試薬に電流を流すことでヨウ素を発生させ、流した電気量から水分を求める方法です。電流を細かく制御できるため、容量法に比べ微量な水分の測定に適します。

水分気化法

試料がカールフィッシャー試薬に溶けにくい場合や、妨害物質を含む場合、試料を水の沸点以上に加熱・気化分離して、容量滴定法、または電量滴定法と組み合わせて使用します。加熱減量法とは異なり、カールフィッシャー法は水だけと反応するため、正確に水分を定量することができます。