ゲノム編集におけるCas9タンパク質とガイドRNAの導入に

石原産業 GenomONE®-GE

GenomONE®-GE はCas9タンパク質およびガイドRNA(gRNA)を細胞に導入するトランスフェクション試薬であり、簡便な操作でCas9タンパク質とgRNAを細胞へ導入できます。エレクトロポレーションのように特別な装置は必要ありません。

これまでトランスフェクションが困難であった免疫細胞に対しても、高効率でCas9タンパク質とgRNAを導入することが可能です。

GenomONE®シリーズ(HVJ-E)とは?

石原産業のGenomONE®シリーズはセンダイウイルスのエンベロープ(Hemagglutinating virus of Japan Envelope; HVJ-E)を利用したトランスフェクション試薬です。センダイウイルスのゲノムRNAを不活化することで得られるHVJ-Eは、非増殖性・非感染性Vesicleであり、バイオセーフティレベル1 (BSL1)の実験室で使用可能です。

HVJ-EにプラスミドDNA、siRNA/miRNA、タンパク質などを封入し、標的細胞に接触させると、エンベロープ表面のHNタンパク質が標的細胞膜上のシアル酸と結合し、Fタンパク質が膜融合を引き起こすことで、封入した分子が細胞質へ導入されます。細胞融合キット(GenomONE®-CF)においては細胞間融合剤として用いることが可能です。

従来のカチオン性脂質を利用したトランスフェクション試薬はエンドサイトーシスによって細胞内に取り込まれますが、その大部分はリソソームによって分解されてしまいます。一方、HVJ-Eは膜融合を介して細胞内に目的の物質(DNA、RNA、タンパク質)を導入します。これによりリソソームによる分解経路を回避することができます。また、導入効率の低い免疫細胞にも高効率でトランスフェクションを行うことが可能です。

特長

  • 導入が難しい免疫細胞にもCas9タンパク質、gRNAの導入が可能
  • 試薬の混合と遠心による短時間・簡便な操作で導入ベクターの調製が可能
  • ドナーDNAをあわせて使用することでノックインが可能

キット構成と使用量

コードNo. メーカーコード キット構成 使用可能回数 (Wells)
HVJ-E Reagent F Reagent G Buffer 6-well plate 24-well plate 48-well plate 96-well plate
384-15261 GG001 1本 1本 1本 1本 16 65 130 325
380-15263 GG004 4本 1本 1本 1本 65 260 520 1,300
388-15264 GG016 16本 4本 4本 2本 260 1,040 2,080 5,200

プロトコル

① HVJ-EをBufferで懸濁し、チューブに採取する。
 [ポイント] ピペッティングで十分に懸濁してください。懸濁液は冷蔵で2週間、-80℃で3ヶ月保存可能です。
② Cas9タンパク質溶液を添加し、ピペッティングまたはタッピングで十分に混合する。
 [ポイント] HVJ-Eは加温により活性が低下します。操作は必ず氷上で行ってください。
③ Reagent F を添加し、ピペッティングまたはタッピングで十分に混合する。
④ 遠心(10,000g, 4℃, 5min)後、上清を除去する。
 [ポイント] 上清が出来るだけ残らないよう除去してください。
⑤ Bufferで再懸濁する。
 [ポイント] ペレットが均一な白濁状態になるまで、ピペッティングで十分に再懸濁してください。
⑥ gRNA溶液を添加し、ピペッティングまたはタッピングで十分に混合する。
 [ポイント] 混合後は5分以内に次の操作へ移ってください。
⑦ Reagent G (正電荷のペプチド) を添加し、ピペッティングまたはタッピングで十分に混合する。
 [ポイント] 混合後は5分以内に細胞へ添加してください。
⑧ 調製したベクターを細胞に添加する。

プロトコル動画

 

[参考] 培養容器サイズ別試薬量 (番号は上記の①~⑧に対応しています)
培養容器 培養液量 ①HVJ-E ②Cas9 ③Reagent F ⑤Buffer ⑥gRNA ⑦Reagent G ⑧添加量
6cm dish 5 mL 40 µL 12.5 µL 16 µL 40 µL 12.5 µL 10 µL 62.5 µL (1dish)
6-well plate 2 mL 16 µL 5 µL 6.4 µL 16 µL 5 µL 4 µL 25 µL (1 well)
24-well plate 0.5 mL 16 µL 5 µL 6.4 µL 16 µL 5 µL 4 µL 6.25 µL (4 wells)
96-well plate 0.1 mL 16 µL 5 µL 6.4 µL 16 µL 5 µL 4 µL 1.25 µL (20 wells)
ポイント

Cas9タンパク質溶液の濃度: 20 μM (5-62 μM)、gRNA溶液の濃度: 20 μM (5-50 μM) [モル比=1:1が初期検討の目安]
ゲノム編集効果が低い場合、Cas9タンパク質およびgRNAの濃度を高くすると有効な場合があります。

アプリケーションデータ

Mouse primary T cellへのCas9タンパク質及びgRNAの導入

T cellはBALB/cマウスから採取したSplenocyteをPMA/ionomycinで1日間刺激後、カラムを用いて分離した。GenomONE®-GE、他社製品C、他社製品Tを用いてCas9タンパク質およびCyclophilin B標的gRNAを導入した。

2日後、T7 Endonuclease I アッセイでゲノム編集効率を検証した。

GenomONE®-GEでは他社試薬よりも高いゲノム編集効率が得られた。

U-937細胞へのCas9タンパク質及びgRNAの導入

トランスフェクションが困難な免疫細胞株U-937細胞に、GenomONE®-GE、他社製品C、他社製品Tを用いてCas9タンパク質およびCyclophilin B標的gRNAを導入した。

2日後、T7 Endonuclease I アッセイでゲノム編集効率を検証した。

GenomONE®-GEでは他社試薬よりも高いゲノム編集効率が得られた。

Cas9タンパク質、gRNA、ドナーDNAの導入(ノックイン)

GenomONE®-GEを用いてCas9タンパク質、gRNA、ドナーDNA(ssODN) をHeLa細胞に導入した。

2日後、ターゲット遺伝子を含む断片をPCRで増幅後に制限酵素BamHI処理したサンプルをアガロースゲル電気泳動にて解析した。

GenomONE®-GEでは21%のノックイン効率が得られた。

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関連製品一覧

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Cas9 タンパク質

ニッポンジーンのCas9タンパク質はGenomONE®-GEを使用してHeLa、U-937、Jurkatに導入された実績があります。

ガイドRNA合成キット

GenomONE®シリーズ

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